先日のダイヤモンドカップで、記者はゴルフ担当になって初めて、石川遼を“生”で取材した。これまではテレビの中でしか見たことがなかった「遼くん」。大会期間中の約1週間追いかけたが、ゴルフのうまさだけでなく、人間性もすばらしい青年であることが分かった。

 普段、米ツアーに出場している石川を取材できるチャンスはほとんどないため、練習日やプロアマ戦から多くの報道陣が集まった。どんな質問にも真摯に答え、常に前向きな言葉を並べていたのが印象的だった。朝会えば、きちんと目を合わせて「おはようございます」。当たり前のことだが、実績を重ねて“スター”になっても謙虚な姿勢があるからこそ、皆に愛されるのだろう。

 ある朝、こんなことがあった。試合前バンカーでアプローチの練習をしていた石川。一通り打ち終えると、そばに置いてあったレーキで自ら砂地を整地し始めた。本来ならキャディーさんなど、別の人に任せてもかまわない作業だろう。実際、ボランティアスタッフの男性がすぐに来て「石川選手すみません。こちらでやりますから」と申し出ても、「いえ」というようなしぐさを見せ、最後まで丁寧にならしていた。

 試合後は日が落ち、暗くなっても納得がいくまで練習。それが終わると、サインを待つ長打の列にペンを走らせた。いつまでも「おかげさまで」の心は忘れない。5歳年下の遼君に教わった気がする。

 

tyokusou_3

 ◇武藤 瑞基(むとう・みずき)
1987年3月30日、静岡県生まれ。静岡大卒業後、2009年に報知新聞社入社。2年目に担当したプロ野球のロッテがいきなり日本一になり、静岡支局時代は磐田がJ2に降格するなど 嵐を呼ぶ 男。15年からゴルフ担当。

最新のカテゴリー記事

報知広告案内
報知チャリティ情報
ページ上部へ戻る