全英オープン開催コースのひとつとしてよく知られているコースに「ターンベリー」というのがある。スコットランドの名門だが、実はこのコース、〝ある事情〟から全英オープンの開催ローテーションから外されることになった。近年、全英オープンは「セント・アンドリュース・オールド・コース」をはじめ、「ミュアフィールド」、「ロイヤル・トゥルーン」など9つのコースをほぼ10年間隔で回っている(オールドコースは5年ごと)。そして、「ターンベリー」では2009年に開催され、次回は2019年大会の舞台となるハズだったが、除外され、その〝穴埋め〟もすでに「ポートラッシュ」と決まっている。

 その〝ある事情〟とは何か? 実は、「ターンベリー」のオーナーは、あの米大統領候補であるドナルド・トランプ氏。このトランプ氏の演説における度重なる人種差別発言が問題となって、大会主催のR&Aがスポンサーをはじめ、外国人選手らのボイコットなどを回避するため、ローテーションから外す決断をした。 また、PGAツアーでもトランプ氏所有の「ドラル・ゴルフ&リゾート」で毎年行われているキャデラック選手権を2017年から別のコースへ移そうと検討を始めているそうだ。

 米国の不動産王・トランプ氏はリーマンショック以後、米国経済の下降がゴルフ場の経営などにも波及したのに目を付け、資金力にモノを言わせて「自分が経営するコースでメジャー大会を開催する」と、2012年に「ドラルG&R」(米フロリダ州)を買収し、2014年には全英オープン開催コースの「ターンベリー」を手に入れていた。

 2014年、R&Aは260年間の禁を破って女性会員を受け入れるなど、世界の情勢、風潮を敏感に察知した対応を行ってきた。そんな矢先に起こったトランプ氏の〝発言〟だっただけに、決断は速かった。なお、米女子ツアーは準備が間に合わず、昨年、「ターンベリー」で全英女子オープンを開催した。

 

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 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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