伝統の日本オープンは16日、埼玉・狭山GC(7208ヤード、パー70)で最終日を行い、松山英樹(24)=LEXUS=が圧勝した。首位スタートの松山は1アンダー69、通算4アンダーで2位に2打差の逃げ切りで初めて国内メジャータイトルを獲得した。

 

 2位には東北福祉大の先輩で14年大会優勝の池田勇太(30)=日清食品=。ローアマは大学3年生の後輩、比嘉一貴が獲得した。東北福祉大の存在感がクローズアップされた。ゴルフ界は若返りが急。しかし、ジュニア、大学ゴルフ界、そしてプロへ。日本ゴルフの強化策は本筋で変化なく一本の流れで維持されている。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け道筋が示された、と評価していいだろう。

 

 優勝争いは、石川遼、片山晋呉、ディフェンディングチャンピオン小平智と期待選手が顔をそろえ充実した。7000ヤード、パー70のヤーデージはタフなセッティングだった。深いラフ、13フィートを越える高速グリーンが難度を高めた。息をつかせぬ競り合いは卓越したコースセッティングのたまものだ。4万5000人を超える観衆が集まり充実した大会となった。

 

 中でも30歳の池田はかつての日本ナショナルチームのエース。6歳下の石川が15歳でプロツアーを勝ち、ペースを乱されたが、今季は賞金王争いだ。持ち前のパットのフィーリングが完全に戻った。谷原秀人とのシーズン終盤の賞金王争いは今季日本ツアーのハイライトとなる。

 

 43歳、片山の“ドライバー抜きの挑戦”も見ごたえがあった。300ヤードドライブ時代に、ドライバーをバックから抜き飛距離を捨てた勇気と実践に盛大な拍手だ。スプ-ンをはじめウッドクラブ,ユーティリティークラブを駆使、若く体格のいい松山を脅かした存在感は見事だった。

 

 松山は米ツアーを拠点にした世界トップランカーとして3年ぶりの大会にアダム・スコット(豪州)とともに参戦、期待通りの結果を残した。この日はバーディーチャンスをことごとく外したが、ラフからのアイアン、グリーン周りのアプローチに”本場の味“をたっぷり見せた。ドライバーショットの飛距離とフェアウエーヒット率を合わせたボールストライキングは日ごとに上昇した。危なげない優勝。たくましい成長ぶりは本物だ。

 

 「まだまだ納得のいくショットが出ない。もっと練習して精度を高めたい」アメリカで2勝目を挙げた今シーズンを日本オープン優勝で締めながらなお、満足していない。あくなき向上心がうれしい。

なにより今回、日本オープンに参戦したことは、エースとしての自覚と受け止めたい。「日本への恩返しができればと参戦して本当に良かった。この優勝は自信になった」例によって言葉少なだが、2017年米ツアーでは中心選手として間違いなく活躍することになる。

 

 勝ちたい試合を勝つ。そんな体験は「メジャーを勝ちたい」松山にとってさらなる飛躍への貴重な体験となった。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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