米男子プロツアーのフェニックスオープンは5日、アリゾナ州のTPCスコッツデール(パー71)で最終ラウンドを行い、4打差3位からスタートした前年度チャンピオン松山英樹(24)=LEXUS=は、5アンダー66で回り、通算17アンダーでホールアウト。ツアー4勝のウエブ・シンプソン(米)とのプレーオフ4ホール目でバーディーを決め優勝を飾った。この優勝でフェデックスポイントは再びトップに返り咲いた。

 

 18番ホールを2回プレーし、10番に舞台を移してもまだ決着せずもつれ込んだプレーオフ4ホール目の17番。松山の4メートルのバーディーパットはカップの真ん中を割り連覇の偉業を達成した。

 

 最終ラウンドの13番で首位に並び、15番で1度は単独トップに立ったが、31歳のシンプソンが17、18番を連続バーディーとするベストスコアの64をマーク。層の厚い米ツアーは簡単に勝たせてくれなかった。松山は16番からの3ホールはいずれもバーディーチャンスの4メートルから6メートルのバーディーパットを外しプレーオフへ。その3ホール目、シンプソンのバーディーパットがカップの淵で止まるなど冷や汗を流した。

 

 「苦しいプレーオフだったが、チャンスが来ると待っていた。勝って本当にハッピーだ。この調子で頑張ります」優勝インタビューに答える笑顔が晴れやか。勝ち運が自分に向いたことを感じているからだろう。昨年に続く4ホールの“延長戦”を制しての優勝。同一大会連覇は日本人初。今季早くも2勝を挙げた。日本人最多の4勝のうちプレーオフはこれで3勝無敗。自信の裏付けはすべてその手で勝ち取ったものだ。

 

 今大会は2014年から4位、2位、優勝そして2連覇。キャリアを重ねるごとに成長している。今大会は初日65で飛び出したが、中2日はショットが乱れ苦しんだ。しかし、良くても常に課題を口にし、おごらず、ひるまず挑戦し続ける姿勢に共感を覚える。

 

 大会の観客動員数が61万人を超える最多記録となったこの日、「ヒデキ」「ヒデキ」の地元の声援が多かった。その強さはトーナメント王国、アメリカ人の心をしっかりとらえて人気は急上昇中。4月のマスターズに向けこの現象は明るい材料だ。この日の最終18番ではこんなこともあった。精魂込めてたたいた松山のドライバーショットは357ヤード、今大会のナンバーワン飛距離を記録した。打った瞬間、松山は球の行方を見失い「どこへ行った?」進藤キャディーに聞いたほど球は飛んだ。

 

 マスターズはドライバーショットを330ヤード飛ばす、身長190センチを超える大男しかチャンスがない、と言われる。この日、松山は“大男のパワーヒッター”に生まれ変わった。今大会を松山にも日本ゴルフにとっても記念すべき日と位置づけておく。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

最新のカテゴリー記事

JTカップ観戦バスツアー
報知広告案内
報知チャリティ情報
ページ上部へ戻る