エージシュートはスコアにこだわる。自分の年齢と同じスコアを出そう、というこだわりは、自分への挑戦だ。
 ゴルフはもともと、スコアにこだわっているじゃないか、と言われるが、他人との競争を意識しすぎるとゴルフが小さくなったり、大たたきしてスコアを崩しゲームが投げやりになったりする。「俺は健康のためにやっているんだ、スコアは関係ない」と言いながらライバルに勝つと鬼の首を取ったように勝ち誇り、ひんしゅくを買う輩(やから)がいるのをよく見るが、スコアにこだわっている証拠だ。素直に行きたいものだ。
 スコアへのこだわりを年齢との競争に置き換えたエージシュートへの挑戦。それは加齢で衰える心技体にあらがう自分への挑戦。必ず1年で1歳年を取るのならせめて1ラウンドのスコアを維持しようという個人的なアンチエイジングの実践ともいえる。誰にも迷惑をかけないし達成できれば、こんなにうれしいことはない、周りが喜び、笑顔で祝ってくれる。

 

 「ゴルフはやり方が悪くなければパーで上がれるようにできているすばらしいゲームだ。パー4のバーディー逃しの4も3オンワンパットの4も同じスコア。やり方は人それぞれでいいようにできている。それがわかるとやり方が変わってきます」 田中さんはエージシュートを目指して「難しさの概念」が変わったとこんなことをいう。

100ヤードを磨くと新しい世界が生れる

100ヤードを磨くと新しい世界が生れる

 

 「ドライバーを300ヤード飛ばせなくても2打目が打てるところにあれば、グリーンにオンできなくても何とかなるのがゴルフ。物理的に不可能なのはドライバーの飛距離だけなら、3打目は100ヤード以内ならば3オン、ワンパットでいいんだ。そう気づくと、考え方が変わりゴルフが変わった」という。

 

 その実践。「アイアンは距離を打つクラブ。100ヤードのラインと距離感を出すショットが基本となる。技術的にはインパクトでアドレスの再現が大事。インパクトへ両腕の三角形がしっかりと狂わずに戻るようならナイスショットしか出ない。だからしっかりショートアイアンを磨きます」―。
 改めて言うと まずドライバーが飛ばない、もう俺は終わった、と嘆く前にフェアウエーへまっすぐ打ち、2打目で100ヤード以内へ打つ、という気持ちだ。それができると70ヤード、もっと短い30ヤードへと難なく行き、パーのとれる確率が高くなる。
すると面白いものでドライバーが気楽に振れるからフェアウエーキープ率も上がり”無理振り””めちゃ振り“もないからグリーンそばに打っていくのはさして難しくなくなる。
 アイアンで高低差を打ち、距離を合わせる。プロ並みのハイテクニックは地道な取り組みからいつの間にか身につく。まず頭の切り替えがアイアン上手の道だ。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。81歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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