ヘッドアップ。ゴルファーなら耳にタコ、聞き飽きた言葉だが、今日も飽きずにヘッドアップを繰り返している。ゴルフは正面の球を左に打つ、考えてみるとおかしなスポーツだが、どうやら原因はそのあたりに潜んでいるらしい。

 

 左に常に目標があるのがゴルフだ。意識は常に左にある。”そんな馬鹿な、意識はいつも正面、しっかりボールに集中して打つのでしょう“というが、アドレスしたときゴルファーの意識は常に左にある。いや、あるらしい。
 左フェアウエーのドライバーショット、旗竿を狙うアイアン、気になる景色は常に左。打つ前の景色と打つ体勢の景色は全く見え方が違う。これが認識できると”二つの景色”が見えてくる。

田中さんのショートアイアンのティーアップショット

田中さんのショートアイアンのティーアップショット

 

 田中スイングはクローズドスタンスで大きなバックスイング。これは完全なヘッドアップ対策から生まれたことは既述通りだ。「早く結果を出そうとするとバックスイングが上がらない。バックスイングが小さいとフォローを大きくとろうと体が反応し頭をあげ体は伸びあがる。それがヘッドアップだ」
 バックスイングを大きく取ると右でたたける。右が走れば頭は残る。不動の頭は正面の球をたたき、左が伸びあがらず、左サイドに壁。完璧なスイングのできあがりだ。

 

 打つ前とアドレスしてからの景色の違いを再確認したのは田中さん60歳の時だった。
 田中さんはハンデ12のアベレージゴルファー。「どうしたらシングルになれるだろう」息子たちの友人だった羽川豊プロにアドバイスを求めると
 「ティーアップしたボールをショートアイアンで払い打ちしましょう。球をつぶしていてはロフト通りの理想の球質は得られませんよ」と言われた。“神の声”だった。3年後にハンデは6になった。

 

 100ヤードのアイアンショットをティーアップしピッチングウエッジで払い打ち。他のアイアンも試した。練習レンジではティアップ、人工芝と交互に打ってみた。効果はみるみる上がったのである。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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