スコアを落とさない事のゆとりが、ゲームの流れを作ります。
 そのために、パーオン率を上げる(維持する)必要があります。

 

 パーオン率を上げよう(=何とかグリーンに乗せよう)と焦り、かえってスコアが悪くなる。こんな悪循環を経験したことはないでしょうか?

 国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス 」で、最終日(3月4日)、単独首位でスタートした川岸史果選手は初優勝を飾ることができませんでした。川岸選手は、優勝できなかった分析として、「パーオン率を上げる」ことが出来なかったことを課題に挙げていました。

 今回は、パーオン率について解説していきたいと思います。

 初めに、高いパーオン率を維持するためのマインド(気持ちの持ち方)を見て行きましょう。

 競技では、リードしている選手と、追いかける選手とでは、当然マインドが違います。

 リードしている選手が、プレッシャーの中、スコアのアップダウンを繰り返しながら、最終的に勝利を収めるには、常に『挑戦者』としてのマインドを持ち続けることがポイントとなります。

 挑戦者としてのマインドとは・・・

・たとえボールを曲げても、気にしない。
・たとえボギーになったとしても、忘れる。
・2位以下に陥落しても、攻める気持ちを持つ。
・相手が粘り強い良いプレーをしても、驚かない。
・自分が一番強いと最後まで信じきる。

などがあります。

 

 次ぎにパーオン率を上げるために「ゴルフ経験値を向上」する必要があります。

 プレーに対する考え方(コース攻略など)やゴルフそのもののへの取り組み方により、パーオン率を上げることが可能です。

 自分の視点だけで考えがちなコース攻略ですが、ピン位置や風の影響、地面の硬さ、強い芝目、同伴競技者の経験値等をトータル的に判断し、かつシンプルに考えて行くことがポイントです。

 いくつかの考え方を紹介しましょう。

1.ベストボールから考える→ピン位置から考える。
 ピンがグリーン右サイドに位置する場合、セカンドショットはFW左サイドから打ちたいので、テーショットはFW左サイドが狙い目となります。思い切ってのびのびと振りきれば曲がらない、ナイスボールを目指して打っていく状況と比べて、戦略に従ってのゲーム運びは、精神的なタフさが必要となります。 ナイスショットを打つことに比べて、プランに従ってプレーする方が、忍耐力を必要とする点で、タフさが必要となります。

2.プレッシャーが増す→ルーティーンを守り、同じリズムで緊張緩和。
 勝ちを意識したり、負けを嫌う気持ちが強くなると、プレッシャーからスイングリズムを一定に保つことが難しくなります。普段から同じ動作を形式的に行うことにより、緊張感を抑え、動作に集中できるようになり、パフォーマンスを維持する事ができます。感情と結果を切り離し、動作に集中することがポイントです。

3.得意なクラブにかける→得意なクラブの精度が落ちた場合→ショートゲームを磨く
 得意なドライバーが曲がってしまった場合、セカンドで乗る確率が下がるため、アプローチの精度とパッティングでのスキルが重要になります。ショットの調子が良い時ほど、アプローチをする機会が減り、集中力を高めてパッティングを決めるサイクルが機能しなくなる傾向にあります。普段から、絶体絶命の状況から寄せきる練習や、寄らなくてもねじ込む練習を課していきます。

4.毎回良いゲームをしたい→初日から最終日にトータルで調子を上げる
 「今日も良いゲームがしたい」、ゴルファーなら誰でも同感です。ゲーム巧者や経験が多いプレーヤーは、どのようにしたら良いゲームが出来るかを考えて、プランを練ります。

 ピン位置が毎回変わる場合、苦手な距離やスピンがかかりにくい距離を残さない方が、パーオン率を維持することができます。

 沢山飛ばして、近くから寄せるよりも、毎回よいゲームをするために、ピン位置から逆算して、残り距離が一番スピンのかかる、ボールが止めやすい距離を残してプレーできるように、初日に上手く行かなかったホールを見直し、上手く行ったホールは、奥に切られた場合や、バンカー上に切られた場合や、グリーン面のコンパクション(硬さ)等を観察し、最終日に備えます。

 最終ホールの勝負どころ、例えばロングホールの3打目付近は、練習ラウンドから、奥ピン、手前ピン、左右ピンを想定し、アプローチを練習します。同時に、グリーン上でのラインも事前に見てチェックして行きます。
 また、普段と違う風向きの変化に対応するためにも、経験値を向上させると、パーオン率を維持することができます。

 

 それでは、パーオン率を上げるための技術を磨くにはどうしたら?

1.得意クラブだけを練習→得意クラブを捨て、苦手を克服
 多くのゴルファーは長所を伸ばす練習を好んで行う傾向にあります。ボールに上手く当たらない練習は楽しくないので、遠ざける傾向にあります。
 練習頻度に比例してゴルフは上達し、スコア改善に効果があります。
 例として、ドライバーが(得意で)飛ぶと、次をショートアイアンで打てるため、アプローチの精度が低くても良いスコアがでる図式があります。
 この場合は、得意なドライバーを捨て、セカンドで乗らない状況を作り、アプローチでしのぐゲームを練習します。
 単純にフルバックから練習すると、ショートゲームの回数が増え、スキルアップできます。

2.調子が良い日に爆発スコア→調子が上がらないときでも、力が出せる
 「なんでも、上手く行った」という日もあるでしょう。大切なのは、「苦しいラウンドでしたが、良い結果を残す事ができた」です。
 それには、感情のコントロールを学び、常に強いプレーヤーと練習することや、ビハインドした状況からのカムバックを想定してゲームを作ります。
・疑似設定1 前日が悪いゲームでしたが、今日は良いゲームができました。
・疑似設定2 前半が悪いゲームでしたが、後半は良いゲームができました。
・疑似設定3 もし前半が悪いゲームだったとしても受け入れる。
・疑似設定4 もし前半が悪いゲームでも、後半は必ず自分のゲームを行う自信がある
 悪いゲームをイメージすると、手や顔から汗がでて、顔色までも悪くなります。このような状況では、通常パフォーマンスは下がり、本来の実力を出し切ることは難しく成ります。けれども、上記のような状況のトレーニング(疑似設定1~4)を重ねることで、本番で力を発揮できるようになります。

3.硬い地面→跳ねることを覚悟
 硬い地面では、バンス角12度のSWは地面に跳ねて浮いた時にボールにタッチして しまう場合があり、これを嫌うと、打ち込む事が出来ず、本来の打ち方が出来ない状況となります。
 バンスが12度あるウエッジを、ローバンス8度にして試してみます。
 ボールをスタンスのセンターに置き、バンス角8度のSWで打ち込んだ場合、球は強く出る場合が予想されます。低めに出たボールを止める、コントロールする技術が問われます。
・SWで打つ場合は、スピン量があり、低く出ても比較的止めやすい。〇
・AWで打つ場合は、スピン量が期待できず、跳ねる恐れもある。△
・9番で打つ場合は、スピン量は低く、最初からミスが出にくい。〇
 バンス角8度のSWで、少しフェースオープンな状態を作り、アウトサイドから打ち込み、インパクトした以降に、フォローで左肘を抜くことにより、低く強く出た球を飛びすぎず、コントロールする事が出来ます。

以上です。
 今回の内容はいかがでしたでしょうか?
 経験を重ねることで、良いゲームができるスポーツがゴルフの魅力の1つです。
 どのような経験を重ねると、もっと良いゲームが出来るかを考える事こそ、私たちコーチも考えなければならないことだと思います。
 次回も一緒に上達を楽しんでいきましょう。

 

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◆小暮博則(こぐれ・ひろのり)
1972年11月27日生まれ。埼玉県出身。明治大学商学部商学科卒業。JGTO(日本ゴルフツアー機構)プロ。PGAティーチングプロ。2003年 JGTO ファイナルQT進出。2013年から東京慈恵会医科大学ゴルフ部コーチに就任している。就任後、同大学は2013年度全日本医科大学ゴルフ連盟秋季大会個人優勝、2014年度全日本医科大学ゴルフ連盟春季大会団体優勝を果たす。PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)のゴルフスクールを主宰し、赤坂(東京都)と小手指(埼玉県)にて展開している。 著書に『一生ブレないスイング理論 “左重心スイング理論”でゴルフの常識が変わる』(カンゼン)がある。

PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)ゴルフスクール
http://pfga.co.jp/

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