エージシュート200回に到達した田中さん。その回数は年齢が高くなるにつれて増えていった。年齢別に回数をみると、78歳で16回、79歳で28回、80歳で50回、81歳では77回。この4年間だけで実に171回を記録した。そして3月、82歳となり6月で早くも12回を加え200回の大台に到達している。
 田中さんに聞いた。

 

 ―いま“ノリノリ”ですが、記録はどこまで伸びそうですか?
 「ゴルフは何が起こるかわからないが、いまの調子なら、81歳の昨年を上回ることは間違いないと思う。これから暖かくなるし体も動きスコアが出る季節に入る。毎年、夏を迎えると調子が上がるので楽しみ」

 

 ―81歳の時が77回。健康を維持し体力強化もしなくてはなりません。加齢による衰えがあるでしょうが、それを感じさせない秘訣は何ですか?
 「若いころは練習場で打ったが、いまはコースを練習場と決めしっかりやることをやる。ナイスショットしたら次も、その次も繰り返せばいいのです。ミスは必ずあるが、繰り返さないよう注意する。それがゴルフだ。1ラウンド、全力で打つ球はたった30発。あとはアプローチとパットだ。そう考えるとおのずからやることは決まってきます。ドライバーを飛ばし、アイアンはそこそこに100ヤード以内を磨きながら自分の形を作る。3オン、1パットのゴルフをできれば若い人にも負けませんし第一、自分に負けないでいられますよ」

 

 ―スイング作りのポイントは?
 「バックスイングを大きくしっかりとる。そのためにフックスタンス、左甲を上に向けたフックグリップになった。しっかり大きく上げ、同じところにしっかりインパクトする。それさえできればボールはまっすぐしか飛ばない。しっかり上がったクラブは構えたところ、アドレスのところ、インパクトに戻りパワーが生まれる。ゴルフは左に打つが、右にあげるからインパクトに戻ります。左を意識するとバックスイングは上がらないのです。しっかりあげて、初めてインパクトができます。インパクトに手が戻れば顔が残り左頬から左サイドに壁が感じられる。それがインパクト。手はインパクトに戻ると、そこで初めてクラブヘッドが手を追い越すのです。それはドライバー、アイアンだけのことではありませんよ。バンカー、アプローチ、パットも同じ。ミスが出るときはどのショットもバックスイングが上がってないときにおこる」

 

 ―59歳で胃がん、79歳で前立腺がん、78歳で白内障手術、右ひざ痛にも見舞われながらエージシュートを積み重ねた。なにがそうさせているのでしょうか。
 「病気のたびにゴルフが出来なくなると思うと余計ゴルフが面白く大切に思えた。いいゴルフをやるともっと良いゴルが出来そうに思えた。相乗効果が健康にもゴルフに働いたのかこんなに元気になった。するとタフな東京よみうりCC、木更津GCも難しくなくなって、バックティーからでもいいスコアが出るようになり、若い人にも勝てたりした。エージシュートをやるとみんな喜んでくれるし、私はツイてる男だと思うようになりましたね」
 スイングは左に打とうとするからバックスイングがおろそかになるー
 そんな田中さんのゴルフ行脚に、さらに磨きがかかった。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

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