田中さんは絶好調だ。エージシュートは10月10日現在247回を数えた。
 毎年夏は調子が上がり昨年など10ラウンド連続エージシュートをやってのけたが、2017年の夏も順調に記録を伸ばしている。6月から9月までの4か月間でエージシュートはなんと45回を記録した。秋の風が吹き始めた10月は台風の影響で雨が多くペースはややおちたが、これまでのエージシュート人生で最も充実したシーズンを過ごした。

 

 田中さんは3月3日生まれの82歳。10月10日現在、年齢別の回数の最高は、81歳の時の81回(偶然は重なるもので年齢と回数がぴったり一致した)だが、この調子だと、自己記録を更新するのは時間の問題だ。つまり83歳の誕生日まであと5か月もある。

 

 だが、一方で「スコアを意識したときにゴルフは難しくなる」といった名手、ボビー・ジョーンズの言葉もある。ゴルフはうまくいっているときは怖いものなしだが、うまくいかなくなった時の怖さ、難しさをあわせもって難しい。エージシューター田中さんは、71歳で初めてエージシュートをやって以来、スコアにこだわり続けてやってきた。そのあたりの精神構造はプロ並み、いやそれ以上にタフだが、大丈夫だろうか。

 

 田中さんは十分、そのあたり意識していた。-次の誕生日までに何回ぐらい、いきますか?と聞くと「球も飛んでいるし、ゴルフがここにきてよくなっている。来年の誕生日までには300回まで行くのが目標です」ときっぱり。―あと53回ですよ、と驚くと?もともとが“前向き人間”、「83歳の誕生日には、300回記念のパーティーをやりたいと思っております」とこともなげに言った。”あと5か月で53回もできますか“と言いかけて、やめた。田中さんは先の先を見据え目標をたて常にアグレッシブに突き進んできた。きっとやってのけるのだろう、いや。やってのける、と言葉をのんだ。

 

 そんな10月のはじめ。男子ツアーの「ツアー・ワールド・カップ」で70歳のジャンボ尾崎が愛知・京和カントリークラブ、7190ヤード、パー71を1アンダーの70のエージシュートでラウンドした。3バーディーの2ボギー。大会2日目のことで予選ラウンドを通れなかったが、尾崎にとっては2013年の「つるやオープン」を66歳で62でまわって以来、生涯2度目の快挙とあってスポーツ紙のゴルフ面のトップニュースとなった。
 最終18番は50センチのパーパットだったが、快挙を見ようと池田勇太らトッププロもかたずをのんで見守り、パットが決まると快挙達成に大歓声が上がった。
 ジャンボは「ティーショットがここ4,5年で1番よかった。全盛期をほうふつさせるゴルフだった」と“自画自賛”したという。だが、「70で回ったからとほめられては俺のプライドが許さないね」とジャンボ節も快調だった。
 田中さん、そしてジャンボ。82歳と70歳。ベテランが元気をくれた夏。エージシューターが輝いた。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

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