★冒険しない人は仕事でもゴルフでも成功しない。向上心と好奇心があるとないとではゴルフは全く違うものになる。パーオンしてスリーパットすることに慣れてしまったり、ボギーならいいやとやっているようでは少なくとも人生も面白くないはずだ。

 

 ゴルフは山あり谷ありの自然の中でプレーする。1日、4~5時間、頼れるのは自分だけ。自分の判断で球を打つが、結果はボールのみが知る、何が起こるかわからない。その間、喜びもあるが、多くは失敗にまみれ、反省したり悔いが残ったり、とにかくうまくいかないことが多い。そんなところから人生と似ている、と喝破した先人の言葉には説得力がある。

 

 わが田中名人にもそんな人生を語る資格があろう。20代で上京、4社を企業した。ゴルフは30歳で始め、いまエージシューター。仕事でもゴルフでも向上心と好奇心をもって取り組んだ成功者、その言葉には耳を傾けるに値する重みがいっぱいだ。

 

 名人の言葉で注目したいのは「パーオンしてスリーパットすることに慣れてしまったり、ボギーならいいや、とやっているようでは少なくとも人生は面白くないはずだ」というくだりだ。
 ハンデキャップという独特のシステムはハンデに頼って、基準のパーに妥協するシステム、と受け止める。このハンデのおかげで、プロもアマも、老若男女を問わず“同じ土俵“でプレーできるのがゴルフの良さだが、我々、アマの現実のラウンドは、言い訳とあきらめにまみれた妥協の世界のようだ。「ボギーで上がれば上々だ」「パーオンしても3パット、どうせボギーならオンしない方がよかった」-わけのわからない理由を挙げ連ねてゴルフの本質をないがしろにする。名人は、そんな根性のなさを戒める。

 

 「冒険しない人は仕事でもゴルフでも成功しない。冒険というと無茶、暴挙というイメージもあるが、向上心と好奇心が根底にある。ゴルフを始めた時の前向きな気持ちを常に持つことが大事。その気持ちのあるなしでゴルフは全く違ったものになる、というのがわたしの結論です。好奇心と向上心はゴルフを前向きにする。ナイスショットが出たら次もと期待する。バーディーがでたら、もう一回、と欲張る。それが好奇心であり向上につながるのです。仕事もゴルフも考え方ひとつでうまくもまずくも転ぶなら、前向きにいく方がいいにきまってます」

 

 いろいろと考えるとゴルフはややこしくなる。名人のノウハウは単純なものだった。 「グリーン上のパットはどんなパットでもオーバーさせること。時に1メートル以上もオーバーすることもあるが、返しを入れればいい。パットは必ずオーバーめ、とガンガン行く。しっかり打ったものはラインに乗れば必ず入る。パットの前には好奇心、そして向上心を意識すると何をするときもそれが思い起こされ、つながってくるはずだ」
 名人は最終ホールで20メートルのパットを入れてエージシュートを達成したことが10数回、いやもっとあるという。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

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