日本男子ツアーの開幕戦となる「SMBCシンガポールオープン」は21日、シンガポールのセントローサGC(7398ヤード、パー71)で最終ラウンドを行いセルヒオ・ガルシア(スペイン)が14アンダー、2位の小平智らに5打差をつけて優勝した。今季、日本ツアー復帰の石川遼は4アンダー16位。賞金王の宮里優作は1オーバー40位だった。

 

 昨年のマスターズ・チャンピオン、38歳のガルシアが圧勝した。最終18番のパー5を、アイアンでティーショットするなど徹底した”刻み作戦“、で2位に5打差。ショットメーカーの強みを遺憾なく発揮、完璧な勝ちっぷりは見事だった。

 

 大会は1961年創設、かつては日本を含むアジア10か国を転戦するアジアサーキットの構成大会。52回を迎え日本ツアーと共同開催。日本ツアーでは今季の開幕戦トーナメントとして位置づけており、ガルシアにとって今回の優勝は日本ツアー初優勝となる。

 

 大会は雨天、サスペンデッドなどで最終日は第3ラウンドの残りと最終ラウンドを行った関係で組み合わせが第3ラウンドのままの変則開催となるなど優勝争いの興奮がそがれたのは残念だった。しかし、最終日に18人の日本勢が残り、世界規模の戦いに参戦して新鮮。また今大会の上位7人には7月の「全英オープン」の出場権が与えられるなど世界につながって見応えがあった。

 

 小平が2位に入ったのは収穫だ。ドライバーの不調で昨シーズンは目前の賞金王を逃したが、その原因となったクラブにようやくめどがついた。好材料だ。今回の2位で、世界ランクは40位前後にランクアップ確実。次週、2戦目のミャンマーにも出場、その後は豪州、米国と遠征が続く。
 ただ、日本ツアーはその後、3月までスケジュールが空白になるのは小平にとっては不安材料。試合がないと世界ランクを上げようがないからだ。空白をうめるため米ツアーの推薦枠を生かし、とにかく試合に出る必要がある。マスターズ出場は世界の選手の目標となっている。小平には一層頑張ってもらうしかない。

 

 予選ラウンドをガルシアと回った石川に世界の期待が集まったが奇跡は起こらなかった。日本ツアーの復帰戦が刺激になるかと期待したが、第3ラウンドで失速した。
 かつていい面だけが出ていたが、いい面、悪い面の両方が交互に出る。失った勢いは戻りにくいものなのだろう。
 ガルシアがアイアンで刻んでバーディーとした18番。石川は第3ラウンド、第3打で池に入れた。暫定ながら、第3ラウンドを終え首位と2打差の追い上げムードの芽を自ら摘んでしまった。ここのところ、そうしたもろさが付きまとう。

 

 ホールアウト後、語った。「ここ2か月やってきた、体が開かないスイング、高低を抑えたさえたコントロールできるドローボールを打てるスイングが、もう少しですね。もっと調整しないといけない」―

 

 世間は選手会長の優勝を望んでいるようだが、「い・し・か・わ」が勝たねば何も起こらない。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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