エージシューター田中さんのこだわりはアンダーパー記録にある。
 これまでの最多アンダーパーは2016年9月、81歳の時の9アンダーだ。ホームコースのよみうりGCを36、36のパープレーの72でまわった。年齢を下回ること9ストローク。以来、10アンダーが目標になっている。

 

 「71歳で初めて70で回りエージシュートをやって以来、その回数を増やすことを第一にやっていたら78歳のときです。73の5アンダーで回れた。さらに79歳では73のスコアが出て6アンダーとアンダーパー記録更新。そして81歳で9アンダーが出た。加齢とともに回数が増え、アンダーパー記録も伸び始めた。年を取ることは衰えだとあきらめていたが、どうもそうではないと思い出し始めた。新しい発見だった。元気が出た」という。
「年を重ねるにつれて、新しい記録がどんどん生まれた。意識は高揚し次から次へと挑戦意欲がわいた。記録が出るとそれが励みとなり、更新すればうれしくてまた頑張ろうと意欲がでた。年齢を重ねるにつれ不可能が可能となっていく。快感だった」

 

 82歳の昨年(正式には17年3月3日の誕生日から18年3月2日まで)エージシュートを89回やってのけた田中さんのことは、すでに何回も紹介してきたが、89回のうちほとんどがアンダーパーラウンドというのだから驚く。ギリギリの82というのは20数ラウンドだけで、アンダーパーラウンドの方がはるかに多く7割強である。その昨年のアンダーパー記録をピックアップした。以下の通り。

 

 ▽82歳シーズンのベストスコアランク

 

 1.-8 74(37 37) 木更津GC    7月26日
 2.-7 75(38 37) よみうりGC   4月4日
      75(37 38) よみうりGC   9月22日
 4.-6 76(37 39) よみうりGC   4月5日
      76(36 40) よみうりGC   7月25日
      76(35 41) よみうりGC   8月8日
 7.-5 77(39 38) 東京よみうりCC 6月4日
      77(39 38) 夏泊Gリンクス   6月27日

 

 こう見てくるとエージシュートとはアマチュアでありながらプロと同じようにアンダーパーの世界であることだ。アンチエージングを旗印に掲げ、心身の衰えを、ゴルフを通じてカバーできれば、アンダーパーの世界が日常のラウンドで味わうことができるのだ。
 さらに表を注意してみて頂きたい。達成コースにある夏泊ゴルフリンクスは田中さんが初めて訪れた青森のコースである。夏、田中さんは羽田空港を早朝に発ち11時過ぎにコース着。午後からスルーで18ホールを回って5アンダーでまわった。初コース、初ラウンドでエージシュート達成。これもまたゴルファーにとっては得難い体験である。
 夏泊は無風、薄曇り。絶好のコンデションで遠来のゴルファーをもてなした。普段、風の神は頬をふくらませ、そのラウンドに強い風を見舞うのだが、その日は遠慮した。田中さんはそのコースの読みと戦略の冴えを遺憾なく発揮、1995年、日本プロ開催の難グリーンも見事に読み切ってアンダーパーでまわってみせた。ゴルファーにとってこれもまた醍醐味の一つであった。「私は運のいい男なんですよ」会心のラウンドに笑顔がはじけたのは言うまでもなかった。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。83歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

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