クラチャンNO1を決める「全日本クラブチャンピオンズ 第54回報知アマゴルフ選手権」(報知アマ)が、7月15~17日の3日間、栃木県那須烏山市の烏山城カントリークラブで行われる。名匠・井上誠一設計の烏山城CCは、来年の日本女子オープン開催へ向けてコースを改造。生まれ変わったと評判だ。本紙のゴルフ専用HP「ゴルフ報知」でもおなじみのゴルフジャーナリスト・武藤一彦さん(と、ついでに鈴木も)が、北関東の名コースを回ってみた。

 

名物ホールの三の丸・8番でティーショットを放つ武藤一彦さん。打ち下ろしのパー5はグリーンまで見通せるようになり、2オンを狙いたくなる

名物ホールの三の丸・8番でティーショットを放つ武藤一彦さん。打ち下ろしのパー5はグリーンまで見通せるようになり、2オンを狙いたくなる

 併設のホテルに前泊した武藤さんは、ロビーから、朝もやに煙る三の丸の9番(大会では18番)ホールを見下ろしてうなった。「オーガスタみたいだね」。いかにも井上誠一らしい、大きくうねる造形美。マスターズを何度も取材し、オーガスタでプレーしたこともある大ベテラン記者は、烏山城のダイナミックな起伏に、聖地の姿を重ねて見ていた。

 烏山城は1974年開場。翌75年にはいきなり日本女子オープンを開催した。日本ゴルフ協会(JGA)理事でもあった横浜の実業家・田村三作氏が、セントラルゴルフクラブに日本オープンを誘致したライバル・西野譲介氏に張り合って井上氏に設計を依頼。最初からメジャーをやるためにつくられたサラブレッドコースだ。過去6回も公式戦が開催され、来年、第49回日本女子オープンが開催される。

 女子オープンや報知アマでは、二の丸をアウト、三の丸をインとして使用。我々はグリーンキーパーの小林明彦さんと三の丸から出た。「前と比べて、なんかすっきりしてない?」と武藤さん。JGAの戸張捷常務理事の指示で、どのホールも下枝が払われ、木が減っている。緩い右ドッグの6番パー4は、右の斜面がすっきり。ショートカットを狙いやすくした上に、バンカーを新設した。「狙わせてバンカーに誘い込もうとしてる。うまく打てばご褒美があるけど」と武藤さん。

 「誘いの隙」は8番パー5でもっと露骨だ。フェアウェー右サイドにクリークが走る打ち下ろしの名物ホールは、これまではティーショットをまっすぐ刻み、3打目勝負が普通だった。ところが、左の斜面の林がすかれ、グリーンまで見渡せるようになった。これなら飛ばし屋はショートカットを狙いたくなる。ミスすればクリーク。ショットの精度が問われてくる。

 格段に難しくなったのが三の丸・9番だ。左サイドに大きな池が待ち受ける、上りのパー4。トップの選手は右に逃げるのが定番だった。しかし、その右サイドに巨大なバンカーが新設された。越えるには白ティーから240ヤード。バックティーからは260ヤードのキャリーが必要となる。「フェアウェーのライン取りも、左の池に寄せるように言われてます」と小林さん。覚悟を決めて、池ギリギリに打てればバーディーチャンスが、ちびって曲げるとペナルティーが待つ。メジャーの最終ホールらしい、ドラマチックな舞台に変身した。

 数多くの木や下枝が切られたが、「グリーンやバンカー、石垣などをなるべく見せたいということでした」と小林さん。武藤さんは「その方が設計家の本来の狙いが分かりやすくなるからね。基本はフェアに、ということでしょう。良くなったと思うよ」。タフに、フェアに生まれ変わった名コース。いったい、どれほどのスコアが出るのか。女子オープンの前哨戦として、コースでは報知アマに注目している。
(鈴木 憲夫)

 ◆報知アマ 正式名称は「全日本クラブチャンピオンズ報知アマゴルフ選手権」。第54回の今年は7月15~17日の3日間、栃木県那須烏山市の烏山城CCで行われる。JGA加盟コースのクラブ選手権優勝者らが一堂に会して、クラチャンNO1を決める伝統の大会。問い合わせは報知新聞東京本社事業部(TEL03・5479・1383)まで。

 ◆ゴルフ場設計家・井上誠一氏 1908年、東京・赤坂の眼科医の長男として生まれ、療養中に来日したチャールズ・H・アリソンと出会ったことからコース設計家の道を歩む。81年に亡くなるまで、霞が関(西)、鷹之台、大洗、武蔵(豊岡、笹井)、東京よみうり、葛城など約40(諸説あり)の名立たるコースを設計した。平たんな地形よりも大きくうねるダイナミックな造形を好み、ほとんどのコースが2グリーン。烏山城は晩年の傑作といわれる。

 

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