米女子ツアー参戦の横峯さくらが「ショップライト・クラシック」で自己最高の2位に食い込んだ。6月10日、米・ニューヨーク州のストックトン・シービューGC(パー71=37,34)で行われた大会最終日、横峯は1イーグル、8バーディーの10アンダー61、通算ストロークを15アンダーと伸ばし、優勝したアニー・パーク(米)に1打差と惜しくも逆転はならず。しかし、順位、スコアともに米ツアーでの自己ベストを記録した。次なる狙いは優勝だ。

 

 首位から4組前、20位からスタートした最終ラウンドは驚異的な内容の夢のラウンドとなった。3番パー5のイーグルで始まりアウトは5アンダー、インは13番7メートルのパットを決め3連続バーディーの快進撃。17番では3メートルを決め30、トータル15アンダーの首位でホールアウトした。最終組のアニー・パクは韓国系アメリカ人、さすがしぶとく63とスコアを伸ばし優勝は逃げたが、初日70の49位、2日目は67の20位からトップに並びかけた猛チャージは、アマ時代から意外性を売り物の横峯さくら復活を強烈にアピールしたのだった。

 

 「日本で14戦、6月に米国入りし2戦して16位と予選落ち。調子の波が激しく(自分を)コントロールできなかったが、初日を大過なくやれたのがよかった。今日はベストスコアを出せハッピー」米ツアーのベストは日本開催の14年「ミズノ・クラシック」の4位。眉のたてじわがすっかり消え、長いスランプを抜けた。
 日本ツアー09年の賞金女王、日本23勝のパワーヒッターも昨シーズンはショット不振、賞金ランク137位とシード落ち、シーズン末のQTでも出場試合が限定される条件付きシード選手に落ちた。「去年はショットが悪く自信を失っていた。これで自信をとりもどせる」

 

 09年プロ入りの32歳。引退した宮里藍とは同年齢、同学年。ジュニア時代は鹿児島と沖縄と同じ地区、ナショナルチームでもしのぎを削ったライバルだ。宮里が功成り名を遂げ引退した1年後によみがえった横峯である。真のライバル同士の運命の糸を感じないではいられない。惜しまれながら表舞台から身を引いたライバルの引退を早すぎる、と惜しむ声は多いが、宮里に、やり残したこと、があるとしたら、32歳以降のツアーでの可能性ではないか。ベテランになった“藍ゴルフ”の行く末を見たかったと思うのはゴルフファンなら当然の想いではなかったか。そんな一抹の思いを、見透かしたような横峯さくらが遅咲きの派手なカムバック。そんな気がしないでもない、いや、そうなのだ、と思いたい。
 世界一大きなバックスイングの持ち主。そう、オーバースイングといって忌み嫌う人もいるが、その技術があったからこそ今の横峯がある。パワーゴルフは誰よりも大きなバックスイングがパワーの源。10アンダー61のスコアはなまじっかではない。チャコこと樋口久子、アッコこと福島晃子、女子ゴルフの伝説はオーバースイングの名手によって受け継がれてきた。次の名人は横峯さくらだ。米ツアー初優勝、そして2勝、3勝、といって、さくら咲く。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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