田中ゴルフはアイデアにあふれている。エージシュートを日常に出すすごさに隠れて見えないが、やっていることは誰でも経験する日常の中から見つけ出す事ができる。それを見つけるのが田中さん、こんな姿勢が普段のラウンドにある。

 

 「同伴プレーヤーを反面教師にする」のもその一つだ。
 反面教師。物事には表と裏の両面があり、自分に起こっていることは自分だけの事じゃない、冷静に見つめてごらんなさい、他人も同じようなことをやっているから、学んだらいかがですか、ということだ。

同伴プレーヤーとプレーを振り返る田中さん(左)上達に欠かせない交流は大事だ

同伴プレーヤーとプレーを振り返る田中さん(左)上達に欠かせない交流は大事だ

 

 自分のプレーに一生懸命になると周りが見えず、うまくいかなくなるゴルフだ。時にはイライラしゴルフがどんどん悪くなるものだが、そんなときはちょっと落ち着いて周りを見なさい、仲間がいて、あなたがやっていること、これからやろうとしていることをみんながやって見せてくれる。だから、それを見て参考にしたらどうですか?と田中さん、そのあたりを年の功で、ちゃんとわかって普段のラウンドに取り入れているのだ。

 

 「ゴルフには必ず同伴競技者がいます。競技でアドバイスするのはルール違反だが、普段のラウンドは楽しく気持ちよくするに限る。教えたり教わったり。だが、そんな中でもゴルフは自分のプレーをきちんとやってこその喜びがある。だから、仲間のプレーを参考にするのです。ショートパットを打てずにショートしたら、ヘッドアップしたな。バンカーショットをオーケーにつけるナイスショットには何がよかったか、しっかり打ち込んだのがよかったのか、壁の高さまで振り切ったのが良かったのか、ナイスプレーを一緒に喜び、その時の感覚をみんなで話し合う。反面教師はまさに素晴らしいゴルフの先生となる。いい時も悪いときもそれを余すところなく目の前でやってみせ、教えてくれる。そんな存在が3人もいる、いいお手本になるはず」

 

 他人を見て自分を知る。ゴルフは自分のスイングは見えない。スイングだけではない。教師はナイスショットの原因、ミスの原因をはっきりと垣間見せてくれる。そして、そのプレーの当事者が見せる喜怒哀楽はゴルファーによってそれぞれ違う。ショット一つが引き起こす反応は人を見せるから怖い、面白い。
 だから田中さんは、反面教師は一人と決めている。実はラウンドでは自分のことで精いっぱい。全員に目をむけるのは煩雑に過ぎるから反面教師は、ラウンド中は一人だけに絞っている。それは次回。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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