53歳・片山晋呉「死ぬか生きるか」の2か月と「球を打てる幸せ」 チャットGPTの助言で浮上


片山晋呉

片山晋呉

◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー メジャー初戦 日本プロ選手権センコーグループカップ 第2日(22日、滋賀・蒲生GC=6991ヤード、パー72)

 21位で出た53歳の片山晋呉(イーグルポイントゴルフクラブ)が5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算7アンダーで上位に浮上した。「昨日からずっといい感じでやれている。必死さが漂っていると思う。哀愁が漂っているんじゃないかな」。通算31勝の永久シード選手が、今季3戦目のレギュラーツアーで存在感を放った。

 インコースからスタートすると、11番で2メートル半を沈め、12番パー3は5番ユーティリティーでのティーショットをピンにからめて連続バーディー。15番では7メートルをねじ込んだ。18番パー5は残り133ヤードの第3打を1メートルにつけ、前半だけで4つ伸ばした。

 飛ばし屋の出利葉太一郎(フリー)と、香妻陣一朗(国際スポーツ振興協会)と同組で2日間を回った。「なにせ65ヤード置いていかれるから」と嘆きながらも、飛距離のビハインドを精度で補った。ティーショットは見ないようにしていた。「球の勢いを見ちゃうと僕が力むので。2人のドライバーは初速を追わないようにやっていた」。自分のスイングに集中した。

 昨年6月に腰に激痛が走った。化膿性椎間板炎に見舞われ、約2か月の入院生活を強いられた。「2か月、死ぬか生きるかのところでベッドにいた。そう考えたらゴルフ場に来てこうやって球を打っていることが幸せ」。日常の幸福をかみしめている。コンビニエンスストアに行くだけでもワクワクする。動けずトイレにも行けなかった日々を思えば、今日という一日のすべてが愛おしい。

 小学生の頃から片山の大ファンで、「追っかけ」としてツアー会場で声援を送ってくれていた黒沢ヒカル氏(25)が、4年前からマネジャーとして帯同している。「病院に行った時も手となり足となりやってくれた。今2人でスイングを作ったり、パターの話をずっとしたりすることもできている。相談相手。そういう子が今そばにいると僕も心強い」と全幅の信頼を置く。

 今週も開幕前に、いい仕事をしてくれた。対話型人工機能(AI)「チャットGPT」を駆使し、片山の悩み解消をサポートした。「チャッピーに聞いてくれたらしくて。『そうか、じゃあやろう』と。チャッピーはすごい。僕じゃ解決しなかったから。今週、いいパットが入っているもんね」。黒沢氏は「長尺パターで引っかけちゃう。どうしたらいいですか?」と「チャッピー」に相談。助言に基づき構えをオープンスタンスにし、ボールを20センチほど右足寄りに置いた。

 2017年のISPSハンダマッチプレー選手権以来のツアー32勝目なら、18年大会の谷口徹の50歳92日を更新する53歳113日でのメジャー最年長優勝になる。これまで7度制してきたメジャーの重みについて「やっぱり勝っている人しか分からない、喜びというものはある」と口にした。ベテランが経験を技をつぎこみ、8度目のタイトルに挑む。(高木 恵)

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