
優勝トロフィーの隣で笑顔でVサインする桑木志帆(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日(27日、宮城・利府GC=6600ヤード、パー72)
2位で出た桑木志帆(23)=大和ハウス工業=が逆転で今季3勝目、通算6勝目を挙げた。7バーディー、3ボギーの68と伸ばし、通算12アンダー。日本女子7人目の海外メジャー制覇を果たした8月のAIG全英女子オープン後、初の勝利を手にした。首位を独走するメルセデスランキングで後続に733・13ポイントの差をつけ、初の年間女王へ前進した。
トレードマークのイエローボールを、桑木は右手で高々と上げた。笑顔に風格がにじんだ。上がり3ホールで2つ伸ばす横綱相撲だった。「2位、3位という惜しい試合が続いていたので、勝ちきることができてうれしい」。4連続バーディー発進から中盤に3つのボギーを喫し並ばれるも、勝負所で突き放した。全英後6戦目で、日本のファンに勝利を届け、「喜び8割、安堵2割」と余韻に浸った。
前週までの5試合で3位以内が3度と、優勝まであと一歩届かなかった。「気持ち的に負けている」と奮い立つと、言い訳と弱音を封印した。難しい位置にピン位置が切られた最終日。「ヤダ」。何度もキャディーにネガティブワードを漏らしそうになりながら耐えた。メジャー覇者になり格段に注目度が上がった。重圧も増えた。「緊張感をうまくゴルフにぶつけて、最近は楽しくプレーできている」。ギャラリーの視線はモチベーションになっている。
プレー中も気を張っている。「変なことはしないように気をつけている。ふてるのもやめたし、ピンと背筋を伸ばして歩くようになった」。見られることでプロ意識が高まり、たくましさも増した。最終日までに3度牛タン店に通い、12切れをペロリ。シーズン終盤も胃袋は絶好調だ。会見を終えると「これでやっと、おいしいビールが飲める」とご機嫌。全英以来の勝利の美酒へ、試合さながらの気合を入れた。「飲むぞー!」。飾らない人柄とゴルフへのストイックな姿勢。魅力あふれる23歳が、女王ロードを行く。(高木 恵)

