
選手会長の阿久津未来也
男子プロゴルフツアーの「フォーティネット プレーヤーズ カップ」が10月22~25日、千葉・成田ヒルズCCで行われる。「プレーヤーとファンがかつてなく強くつながる大会」をテーマに立ち上がったトーナメントは今年2回目を迎える。スポーツ報知では4回にわたって、大会を特集。初回は選手会長の阿久津未来也(31)=フリー=のインタビューで、昨年からの大会の進化と男子ツアーの今について語った。
今季の男子ツアーは23試合あるが、選手会主催の大会はJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品と今大会の2試合だけ。フォーティネットジャパン合同会社が特別協賛としてサポートする形で、昨年誕生した。
「選手会としては、昨年の形を引き継ぎつつ、新しい形も取り入れながら、盛り上げていけたらと思っています。僕が考える選手会主催の大会の意義として、『また来たい』と思ってもらえる試合にするということが、何より大きいです」
昨年はSNSを通じて選手からファンに「18の質問」を呼びかけ、寄せられた1万5528件の回答をもとに、ギャラリーファースト施策を展開した。
「もう少しギャラリーの方に、これをやっています、あれをやっていますということを分かりやすく伝えたら良かったなというのはあります。『18の質問』もどれぐらい届いたのか、あいまいだった。実際に会場に来てもらって、そこで何ができる、何に触れられる、ということをもっとPRすべきだったという反省点はあります」
選手会長の阿久津からはインフルエンサー、YouTuberによる大会PRを提案した。
「ゴルフに触れる機会がこれまでなかった人たちにも『こんな大会があるんだよ』ということを知ってもらえたらいいなと。会場の雰囲気や、ギャラリープラザでの飲食や、こんなことをやっていますよ、ということを知ってほしい。大会の情報発信を昨年以上に積極的に行っていきたいです」
各ホールのティーイングエリアに設置される「アテンドボード」もブラッシュアップする。サイズを大きくし、各ホールに対する選手の本音や見所を顔写真つきで掲載する。
「去年は小さくて、あまり目立たなかったという反省点がありました。今回はギャラリーの方の目に留まるように変化を加えます。ゴルフ初心者の方の観戦ポイントのサポートになると思います。普段からゴルフをよくプレーする方には『プロはこのホールを、こういう攻め方で狙っていくんだな』という視点で試合を見てもらえたら面白いんじゃないかな」
「選手とファンのつながりが大会を育てる」との考えを軸に、ファンの声に耳を傾けている。ギャラリーと選手が触れ合う「グータッチゾーン」も改良される。
「去年はなかなか分かりにくい場所にあったし、優勝争い中だったり、プレー中は難しいこともあります。『無視された』という印象を持たれることはつらいですし、もっと触れ合うことができるように動線を変えました。今年はクラブハウスの近くに変更しました。クラブハウスから出てきて練習に行く時や、スタートに向かうタイミングだったら応えられる機会が増えますから」
サインブースも、より充実させる。昨年は選手がアテスト後にクラブハウス正面に来てサイン―という流れで実施したが、「選手に声をかけにくかった」「タイミングが難しかった」というギャラリーの声を受けての変化だ。
「ラウンド後にクラブハウス前でスタンディング形式のサイン会を実施します。『並べばだれでもサインがもらえます』というブースを今年は作りましょうと。選手がサインをする態勢を整えました」
新規大会だった昨年は、開催の周知が十分でなく、来場者は4日間で4559人にとどまった。ゴルフ観戦の楽しさを多くの人に感じてほしい。
「今季これまで試合をしてきて、『初めて来ました』というギャラリーの方は毎試合何人かいらっしゃるんですよ。そのような人たちと会話をした時に、『ゴルフウェアじゃなくていいんですね?』とか『持ち物はどれぐらいの大きさまで大丈夫なのか分からなかったので、リュックを背負ってきませんでした』とか、観戦のハードルがまだある。1回目に来たときに『もう一回行きたい』と思ってもらえること、そしてその『もう一回』に、友人を誘ってというふうに広がっていくことが理想ですよね。とにかく1回来てくれないと次はないですから」
男子ゴルフを取り巻く人気低迷の声は、長らく絶えない。会場で生のプレーに触れ、魅力を知ってもらうことが、「次」につながっていく。
「初めて来た人の中で『楽しかった』という感想を持ってくれる人は僕の中では9割5分。徐々にですけど、2~3年前に比べると人気は回復傾向にあると思っています。新しく来てくれる人も一定数います。人気でいったら、間違いなく上がっている。男子はずっと10年以上、石川遼さんというスターがいて、そこに良くも悪くも依存していた。僕ら選手も頼っていたところはあります」
若い選手も育っている。世界に挑戦するトッププロも増えた。前向きな要素に目を向ける。
「去年は金子駆大が23歳で賞金王になって、24年は26歳だった金谷拓実、23年は中島啓太が23歳で戴冠しました。そこにもっとフォーカスしてほしいし、彼らたちは今みんな海外で戦っている。日本のトップが海外に通用するルートがこの数年できています。昨季のツアー初優勝者は11人で、優勝者の平均年齢は28・6歳でした。選手層が変わってきて、レベルも格段に上がっている。どの試合もカットラインが1打2打高くなっています。下からどんどん勢いのある若い選手が出て来ることで、レベルも上がる。それにともなう人気上昇の風は感じています」
4つのメジャー(日本プロ選手権、日本ツアー選手権、日本オープン、日本シリーズJTカップ)に並ぶ「第5のメジャー」へと、大会を育てていきたい。強い思いとともに、2度目の開催を迎える。(高木 恵)
◆最新情報はJGTO(日本ゴルフツアー機構)のSNS、大会HPで随時告知していくのでお楽しみに!

