◆男子プロゴルフ ISPSハンダ・ワールドカップ第1日(24日、豪州・キングストンヒースGC、7111ヤード=パー72)
【メルボルン(豪州)24日=浜田洋平】1つのボールを交互に打つフォアサムで行われ、松山英樹(24)=LEXUS=と石川遼(25)=カシオ=の日本は4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73で回り、1オーバーで首位と4打差の10位発進となった。前半を3オーバーと出遅れたが、終盤に石川のパットがさえて巻き返し。14年ぶり3度目の優勝に向け踏みとどまった。3アンダーのスペインが単独首位。
ギャラリーの持つ日の丸が激しく揺れた。3オーバーで迎えた15番。松山は第1打でグリーンを外したが、石川がピンまで6メートルのカラーからパターで沈めた。16番でも右8メートルのパットをねじ込み連続バーディー。「英樹がいいラインに乗せてくれて(互いのキャディーを含めた)みんなでラインを読んで、そこを通って入った。個人戦にはないもの」。悪い流れを断ち切った姿に松山は「遼が入れてくれて助かった」と感謝し、右手でグータッチ。チームプレーの楽しさをかみしめた。
石川は1、2番でショットが荒れ「最初は緊張で頭が真っ白。重心が上にいってフワフワしていた」。グリーン上でジャンプを繰り返し、緊張をほぐした。6番では第1打をグリーン奥にこぼし、松山もアプローチでピンを8メートルオーバー。さらに松山が1メートルのボギーパットを外すなど互いに本調子ではなかったが、終盤に見せた石川の好パットで首位と4打差の10位に踏みとどまった。
前日はキャディーバッグからパターを手に取り、帰りの車に乗り込んだ。ホテルの自室で打ち込むためだ。カーペットに残る隠れた努力の跡。米ツアーの時も、一人黙々とインパクトの感触を確かめる。「いい時の感じではない。もう少しやれば、まだまだ良くなる」。貪欲な姿勢は、パートナーに指名してくれた世界ランク6位の松山に少しでも追いつき、その思いに応えたいから。陰で磨いたパットが盟友のピンチを救った。
2人で話し合い、この日は白のセーターと赤いズボンで日の丸仕様のウェアを着用。21日は最高気温35度を記録したが、以降は20度を下回るなど寒暖差が激しい。この日はハエも群がった。「お互いがもう少しいい状態にしたら、優勝のチャンスはある」と巻き返しを誓う松山。石川は「(松山は)まだまだなフィーリングだと思うので楽しみ」と本領発揮を期待した。残り3日、逆転の世界一は十分に可能だ。(浜田 洋平)
◆W杯の大会方式 4日間を通じてダブルスによる団体戦。2日目は各自のボールをプレーし、良い方のスコアを記録するフォアボール。3日目は1つのボールを交互に打つフォアサムを採用し、最終日は再びフォアボールで行う。