◆男子プロゴルフ ISPSハンダ・ワールドカップ最終日(27日、豪州・キングストンヒースGC、7111ヤード=パー72)
最終日は各自のボールをプレーし、良い方のスコアを記録するフォアボールで行われ、4位で出た松山英樹(24)=LEXUS=と石川遼(25)=カシオ=の日本は7バーディー、ボギーなしの65で回り、通算14アンダーで首位と6打差の6位。日本の誇る黄金ペアは、14年ぶり3度目の優勝には届かなかったが、すぐに再出発を誓った。
松山は最近の好成績を支えたパットの調子が狂い、5度のバーディーチャンスを逃した。「プレッシャーのかかる場面で、まだ自分を信じ切れていない部分があった」。石川は「2人で同じくらいの距離でチャンスにつけたところで(バーディーパットを)外したホールはなかった。僕が英樹より内側につけていくようなプレーをしていれば、今日は12アンダーとか出せたと思う」と互いの責任であることを強調した。
石川と出場した事に意味があった。8月中旬、米国から一時帰国した松山が石川を誘った。「一緒にワールドカップに出よう」。自身がプロツアーで頭角を現す前から追いかけてきた存在。この時、石川は腰痛でリハビリ中だったが、国内のゴルフ人気を盛り上げるには必要不可欠な存在だった。石川は「英樹が誘ってくれて、モチベーションが上がった」とその思いに応え、復帰した8月末の日本ツアー初戦で優勝。松山は今大会まで直近4戦3勝と注目度を高め、オーストラリアに乗り込んだ。
結果は及ばなかったが、すぐに切り替えなければならない。ともに12月1日から、松山はヒーロー・ワールドチャレンジ(バハマ)に、石川は日本シリーズJTカップ(東京よみうりCC、報知新聞社主催)に出場予定。年明けからは米ツアーに挑む。「ワールドカップに日本代表として来る時は、自信を持って『優勝を目指します』と言えるように、どれだけ調子が悪くても弱音を吐かないような力強い選手になりたい」と松山。石川は「とにかく世界ランクを上げて、(次のワールドカップのパートナーに)英樹にまた選んでもらえるように頑張りたい」と先を見据えた。日本のゴルフ界を背負う2人の戦いは続く。