松山「絶対勝てる」来年に手応え…最終日ベスト67で11位フィニッシュ


 ◆米男子プロゴルフツアー海外メジャー初戦 マスターズ 最終日(9日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC、7435ヤード=パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)9日=榎本友一】28位で出た松山英樹(25)=LEXUS=は7バーディー、2ボギーでこの日のベストスコアに並ぶ67をマーク。通算1アンダーの11位で日本男子悲願のメジャー初制覇は逃したが、来年大会の出場権を獲得した。

 セルヒオ・ガルシア(37)=スペイン=が9アンダーで並んだ、リオ五輪金メダルで2013年全米オープン覇者ジャスティン・ローズ(36)=英国=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制し、通算74戦目でメジャー初制覇を達成した。

 日本の怪物が、ゴルフの祭典初制覇への高い可能性を見せた。松山は得意のアイアンショットでピンを攻めて7バーディーを奪い、この日のベストスコアに並ぶ67。自身大会3度目の60台で「昨年末くらいのパットができれば(マスターズで)絶対勝てるという自信はあるので、そういう状態が来年のここで来るように練習したい」と手応えを得た。日本男子最高の世界ランク4位で初優勝を目指した今大会。優勝争いに加われなかった雪辱を誓った。

 不調だった世界屈指の精度を誇るショットがよみがえった。前日より少し腰を落として構え、300ヤードを超えるビッグドライブを連発し13番、15番では2オンしてイーグルチャンスにつけた。「3日目の後半と今日はいいショットが打てたので、そこは自信を持ちたい」と自身計22ラウンド目で、初めて4つのパー5全てでバーディー奪取。オーガスタでスコアを伸ばし、優勝争いには不可欠な飛距離と高弾道のロングアイアンの精度を示した。

 最終日も全体40位の31パットで、今大会は計7度の3パット以上に苦しんだ。「(超高速の)グリーンにタッチが合わせられなかった。応急処置できるレベルではなかった」。裏返せば課題は明白。TBSのリポーターとして、松山の6度の出場を現地で見守った芹沢信雄(57)は「今大会同組で回ったファウラーやストリッカーのようにロングパットの射程圏が長くなれば、まだまだスコアは伸びる。あれだけパットを外して60台で回るなんて末恐ろしい」と期待した。

 マスターズは同じコースで毎年行われる唯一のメジャーで、過去80回の歴代優勝者の平均出場回数は6度。4年連続6度目の出場となった松山は、傾斜を使ったアプローチで観客を驚かすなど着実に経験を重ね、頂点をうかがう位置にいる。昨秋以降に日米ツアー4勝を挙げ、メジャー初Vへの期待は高かったが、2月以降の不調を引きずった。「それが実力。調子のピークとか谷間とかあると思うが、ないようにやっていけたら」。1年後、歓喜の瞬間を迎えるため課題を克服していく。

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