昨年12月の最終予選会で2位に7打差をつけ1位通過した注目のルーキー・星野陸也(20)=フリー=が、13日から行われる男子プロゴルフツアー国内開幕戦の東建ホームメイトカップ(三重・東建多度CC名古屋)で大会最年少Vを狙う。186センチの長身からドライバー平均飛距離300ヤードを誇る飛ばし屋は、ジュニア時代から一緒に練習し、所属事務所の先輩でもある石川遼(25)=カシオ=のエールを胸に出陣する。
初々しい表情が印象的な星野陸が、内に秘めた闘志を燃やした。「緊張よりも楽しみ。自分のゴルフがどうなるのか。まず1勝を目指してやりたい」。大会最年少Vのかかる国内開幕戦から頂点を見据えた。
2週前に行われた下部のチャレンジツアー開幕戦「Novil Cup」でプロ初V。米ツアーを主戦場とし、昨年末の沖縄合宿をともにした石川に報告すると「(レギュラー)ツアーでも、もっと上に行けるから頑張れ!」と激励された。ジュニア時代から憧れる先輩の言葉に、勝利への思いをさらに強くした。
平均飛距離300ヤードを誇るドライバーショットが魅力で、昨年8月にプロ転向すると、今季の出場権をかけた最終予選会をぶっち切りでトップ通過。年明けにインフルエンザを発症しながらも1月のシンガポールオープン6位、ミャンマーオープン9位と好成績を残してきた。それでも「ミャンマーではティーショットがあまり良くなかった」と振り返るなど、満足はしていない。
アジアでの連戦後は鹿児島や地元・茨城で練習を積んだ。「流れはいいので何とかこの調子で。諦めずにいきたい」。チャレンジ開幕戦&レギュラー国内開幕戦の“W優勝”なら史上初。現在賞金ランクは11位につけており、今週勝てば両ツアーでトップに立つ。こちらも実現すれば初の快挙だ(いずれも99年の日本ゴルフツアー発足後のデータ)。
「学生の頃からなぜか予選は落ちない。ビッグスコアを出すよりも“粘り系”です」と自らを冷静に分析する。10日には名古屋市内で行われた男子ツアーPRイベントに宮里優作選手会長(36)らとともに呼ばれるなど期待は大きい。注目の新星が男子ゴルフ界に新風を巻き起こせるか。(岩原 正幸)
◆星野 陸也(ほしの・りくや)1996年5月12日、茨城・水戸市生まれ。20歳。6歳からゴルフを始め、茨城・水城高では2~3年時の関東ジュニアで連覇。昨年7月に日大を中退し、8月にプロ転向。昨季は4戦に出場しダイヤモンドカップの18位が最高。今年はアジア開催の2戦で6、9位。186センチ、70キロ。家族は両親と姉、妹。