◆男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第1日(13日、三重・東建多度CC名古屋)
昨年8月にプロ転向したルーキー星野陸也(20)=フリー=が1イーグル、4バーディー、1ボギーの5アンダー、自己ベストタイの66で回り、自身ツアー初の首位に立った。新人の国内開幕戦での首位発進は、詳細な記録が残る1985年以降(日本ツアーメンバーのみ)では、2014年の大堀裕次郎(25)以来2人目。開幕Vなら史上初となる。
圧巻のラウンドだった。10番から出た星野陸は2つ伸ばして迎えた17番パー5、ドライバーの第1打で320ヤードを超えるビッグドライブ。続く第2打をピン2メートルにつけて軽々とイーグルを奪った。昨年9月のダイヤモンドカップ2日目に並ぶ自己ベストタイの66をマーク、ツアー自身初の首位に立ち「90点。予想以上にいいラウンドができた」と胸を張った。
昨年末の最終予選会で2位以下を7打離して1位となり、注目された。ジュニア時代から一緒にラウンドし、所属事務所の先輩でもある石川遼(25)=カシオ=が「ドライバーの名手の大型新人。僕にも教えてほしいくらい」と絶賛する逸材で、平均飛距離は300ヤード超を誇る。
パワーの源となる186センチの上背は「コーヒー牛乳と睡眠」によって作られた。毎晩「はまっていた」というコーヒー牛乳の効果か、小学3年から1年間で身長が13センチも伸びた。6年生で164センチ、中学2年で180センチ。「中学の時は寝てばかり」と睡眠も成長を後押しした。大会前日も午前の練習ラウンド後、ショット練習や食事、風呂の間に3回で計5時間ほど睡眠を取った上、就寝は午後9時半と、たっぷり眠った。
休養も取りつつ、普段から世界ランク2位のマキロイ(英国)のスイング動画を参考にするなど研究熱心なゴルフ界のホープは、1月のアジア2戦でともにトップ10入り。国内開幕戦で新人Vなら史上初の快挙となる。「期待に応えられてうれしい。気を抜かずにこの流れで上を目指して頑張りたい」。寝る子は育つ。果報は寝て待て。大型ルーキーが、日本ゴルフ界のスターに名乗りを上げた。(岩原 正幸)