◆男子プロゴルフツアー 関西オープン第2日(19日、京都・城陽CC=7037ヤード、パー71)
48位で出たアマチュアの杉原大河(17)=徳島・生光学園高3年=が6バーディー、2ボギーの67で回り、通算2アンダーで首位と4打差の8位に浮上した。タイガー・ウッズが名前の由来になった「たいが」が4人出場した今大会で、他の3選手は予選落ち。40人抜きで自身初の予選通過を果たした逸材が“タイガー世代”を引っ張る。小野田享也(25)=フリー=、今平周吾(24)=レオパレス・リゾート・グアム=が6アンダーで首位。
得意のアイアンショットがさえた。アマチュアの杉原は、17番で残り120ヤードの第2打をピンそば50センチに乗せてバーディー。通算アンダーパーが11人だけの難コースでツアー自己ベスト67で回り、40人抜きで8位に急浮上だ。「100点満点。キャディーさんと会話する余裕もあった」。ツアー7戦目で初の予選通過だが、残り2日で4打差なら十分V圏内だ。
米ツアー79勝のタイガーにあやかり、父・剛毅(ごうき)さん(63)が「大河」と名付けた。生まれた1999年はウッズの全盛期。今大会だけで同名のアマが4人いる。「僕らの世代は多い。同じ名前の選手には負けたくない」。高弾道のアイアンショットを連発し、硬いグリーンにピタリと止めて6バーディー。言葉通りに予選落ちした3人に実力を示した。
ウッズは通算683週もの間、世界ランク1位に君臨。まだ足元にも及ばないが、杉原も14年世界ジュニア選手権を制した“元世界王者”だ。名字はプロ通算63勝の「ゴルフ界のドン」杉原輝雄(故人)と同じ。なじみが薄い世代とはいえ「往年の名プレーヤーですよね」と大会最多9勝のレジェンドの足跡は勉強済み。さらに尾崎将司と同じ徳島出身で、大物の要素はたっぷりだ。
「活躍できるプロになって、ギャラリーを魅せられる面白いゴルファーになりたい」。アマが勝てば、11年松山英樹以来4人目。秘められたスター性を快挙で開花させる。(浜田 洋平)
◆杉原 大河(すぎはら・たいが)1999年11月4日、17歳。徳島県生まれ。父の勧めで5歳からゴルフを始め、多くの有名プロを育てた江連忠氏に小学生時代から師事。2013年に中学の全国大会V。14年世界ジュニア選手権(13~14歳の部)で優勝。14年前期、15年前期にナショナルチーム入り。ドライバー平均飛距離は280ヤード。憧れは世界ランク4位のジェーソン・デー(豪州)。174センチ、76キロ。家族は両親。