さて、日本はゴルフシーズン真っ只中ですが、ここニュージーランドでは、5月の半ばで競技ゴルフのシーズンが終了。とはいっても、6月上旬には早々に来シーズンがスタートするので、ニュージーランドのゴルフにシーズンオフは実質無いようなもの。今、長男の一磨(15才)は束の間のお休みも返上で、シーズン開幕戦となるリディア コー ジュニア選手権(6月4-5日)に向けて日々練習に励んでいます。
アメリカの大学に留学中の長女桃花(18才)も、昨年9月からスタートしたNCAAシーズンを無事終了。カンファレンスの新人賞(Freshman of the Year)を受賞し、NCAA全米選手権にも出場など、シーズン後半はチームレギュラーに定着することができ、本人もある程度手応えのある、初NCAAシーズンだったのではないかと思います。
今回は、ニュージーランド情報はちょっとお休み。桃花にアメリカの大学ゴルフを1年間体験した感想を聞いてみました。ゴルフスカラシップでアメリカの大学進学を目指すジュニア達には、参考になる話があるかもしれませんよ。雑談方式だと案外本音も聞けるかも。「ふーん、こんな感じかぁ~」とまあ気楽に読んでみてくださいね。
ではどうぞ。
Q :NCAA選手権お疲れさん。結果は残念だったけど(24チーム中23位)、シーズン全体としては良かったんじゃない?
桃 :うん。シュガー グローブ(NCAA選手権会場、イリノイ州シカゴ郊外)は寒いし、雨だし、風強いし、大変だったけどね。コースもヤーデージ以上に長く感じたし。順位は良くなかったけど、5年ぶりにファイナルまで行けたからチームの雰囲気は最後まで良かったよ。コーチの機嫌は悪かったけど(笑)。
Q :ところで、そもそもの話、なんでアメリカの大学へ行こうと思ったの?
桃 :いや、ほらニュージーランドって狭いから(笑)。もうナショナルへ行っても、毎回ほとんど同じ顔ぶれだし、ナショナルチームの遠征もオーストラリアがメインで、他は年に1回のクイーンシリキットと2年に1回のワールドだけで、世界との接点がほんのわずかだし。WAGR(世界アマチュアランキング)に入って、世界中のトップアマがみんなNCAAでプレーしてるのを知ってからは「もうアメリカの大学に行くしかない!」って感じで。
Q :で、スポーツ留学エイジェントの説明会とか行ってたよね?
桃 :うん、行ったよねークライストチャーチまで。でも、その前からいろいろネットで調べていて「自分でも出来そうだなぁ」って思っていたので、お金勿体無いし、よし、全部自分でやってみようと。
あ、もちろん、パパにも手伝ってもらったけど。
Q : ひと口にアメリカの大学って言っても、女子ゴルフ部がある大学だけで700ぐらいあるよね。どうやって、最終的にペパダイン大学に辿り着いたの?
桃 : 最初の最初は、大学ゴルフの全米ランキングとか、チームの平均スコアーとかをネットで調べながら、「ここだったら自分も試合に出られるかな?」みたいな感じで選んでいった。せっかくアメリカ行っても、試合に出られないんじゃ仕方ないから。
その次は天候。1年中ゴルフが出来る地域へ行きたかったので。冬雪深くて寒いところは速攻パス。夏ジメジメ暑いのもNG。そうやっていくと結構しぼりこめてきて・・・
Q : で、カリフォルニアというわけだ。それでその次は?
桃 : うん、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、フロリダ、ジョージア、ノース&サウス キャロライナあたりの大学にコンタクトしてみた。全部で40大学ぐらいだったと思う。
Q : そこからは、コーチからの返事待ち?
桃 : うん、そう。毎朝ドキドキしながらメールチェックですよ(笑)
でも、返事が来なくたって気にしない!よし、次行くぞ!ってくらいの勢いで(笑)
結局、2週間ぐらいでメールを出した半分ぐらいの大学から返事が来ておおっ!という感じ。UCLAとアリゾナから来たときは嬉しかったなぁ。
そこからは、トーナメントに出るたびに、コーチ達に自分のスコアーや反省点なんかをメールして、コーチが返事をくれるということを地道に続けていったかな。
しばらくはメールのやりとりだったのが、そのうちスカイプで話をするようになって、その頃にはスカラシップのオファーもいくつかもらえたよ。
Q : それからだったよね?サンディエゴのジュニア ワールドへ行ったの。
桃 : そう、初めてのアメリカ!!
ジュニア マスターズとワールドの2試合をプレーして、どちらにも大学のコーチらしい人がたくさん来てた。そのワールドの前にペパダインのキャンパス見学に行って、今のコーチにオファーをもらって。ヘッドコーチが2試合とも見に来てくれたっけ。
その後ニュージーランドに戻って1ヶ月半ぐらい考えて、ペパダインに決めた。
リクルーティングでいろんなコーチ達とやりとりするのは楽しかったけど、熱心に誘ってくれた他の大学のコーチ達に断りの連絡を入れるのは正直とても辛かったな。
Q : 日本のジュニアがアメリカを目指すとしたら、アドバイスとかある?
桃 : 1番はやっぱり、英語を勉強して、英語でコミュニケーションを取れるようになることかなぁ。それと、コーチ達ってスイングやスコアーよりも、チームの中で上手くやっていけるかどうかを見ている気がする。プレー中のマナーとかもね。
あとは、ジュニアワールドに限らず、もしチャンスがあったらアメリカのジュニアトーナメントに試しに出てみたり、大学主催のゴルフキャンプに参加したりして自分がアメリカの雰囲気を本当に気に入るかどうか、確かめてみるのも良いと思うよ。
続く
◆小堀亮三
1966年生まれ、神奈川県出身。中央大学仏文科を3か月で中退後、オフロードバイクのレースに参戦するために単身渡米、その後10年に渡り住み続けることとなる。UCSD卒業(カリフォルニア大学サンディエゴ校)。ニュージーランドの広大なオフロードトレイルライディングに魅せられ、2007年、妻、娘(当時8歳)、息子(当時5歳)の家族4人でニュージーランドへ移住し1年と半年後に永住権を取得。ふとしたきっかけでニュージーランドがゴルフ天国であることにも気づき、自身もどっぷりとはまり腰を痛めることに。今はゴルフに熱中する子ども達をサポートするかたわら、ジュニアゴルフNZを運営。
職歴 オフロードバイク業界でイベント企画運営をメインに輸入卸売、コラム執筆等、多岐に渡り30年。が、ゴルフに熱中する子ども達の影響と数々の幸運な出会いにより、一念発起、50歳でジュニアゴルフNZを開業する。現在はバイクとゴルフ2足の草鞋を履き、日本とニュージーランドを行ったり来たりの生活を送っている。
活動拠点 ニュージーランドでは南島のランギオラ。日本では群馬県の浅間高原、北軽井沢
趣味 家庭菜園とブログの更新(http://juniorgolfnewzealand.blog.jp)