◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー最終戦 第99回全米プロ選手権第1日(10日、米クウェイルホローC、7600ヤード=パー71)
【シャーロット(米ノースカロライナ州)10日=岩原正幸】日本男子初のメジャー制覇に挑む松山英樹(25)=LEXUS=は6バーディー、5ボギーの1アンダー70で滑り出した。優勝した前週のブリヂストン招待で投入したマレット型の新パターで10番から連続バーディー発進。16~18番の難所「グリーンマイル(死刑台への道)」を1ボギーでしのいだ。疲れの出た後半にパットが乱れて3連続ボギーも、底力を発揮して3連続バーディーで締めくくった。
松山の今年最後のメジャー挑戦が始まった。青い半袖シャツに黒のパンツ姿で、午前7時45分に10番からスタート。ドライバーでの第1打を右ラフへ運んだ時点で、丸山茂樹(47)の持つ日本人連続メジャー最多出場記録19に並んだ。自ら祝うかのようにピン左奥から16メートルをねじ込みバーディー発進。前週投入したマレット型の新パターで11番も下り4メートルを沈めて伸ばした。
今大会のコースは14年からウェルズファーゴ選手権で3年間プレーし38位、20位、11位。難所の「グリーンマイル」は16番でアプローチを50センチに寄せてパー。17番は第1打をピン奥10メートルに乗せてパー。18番は第2打をグリーン左に外してボギーとなった。前週の世界選手権シリーズ、ブリヂストン招待で米ツアー5勝目。米ツアー公式サイトの優勝予想番付で、メジャーでは自身初の1番手に挙げられた。「何人もの日本人がチャレンジして取れていないものを、取れるように頑張りたい」と力を込めていた。
13年のプロ転向後、自身初となる2週連続Vへの挑戦だ。6日の優勝後は、プライベートジェット機をチャーターして東北福祉大の先輩・谷原秀人とともに約650キロを移動。7日午後からコースに入り、精力的に調整を続けてきた。後半の3番で第1打を右バンカーに入れてスコアを落とすと4番は3パット、5番は1メートルのパーパットを外して3連続ボギー。だが7番、8番、9番と3連続バーディー締めで1アンダー。粘り強く、悲願達成への可能性をつなぎとめた。
◆松山の全米プロ初日 初出場の13年大会(パー70)は2オーバー72で首位と7打差の74位と出遅れた。14年大会(パー71)はイーブンパー71で54位発進。15年大会(パー72)は2アンダー70で15位。16年大会(パー70)は1アンダー69の21位で滑り出した。
◆グリーンマイル 池や小川が絡む16、17、18番の最終3ホールの総称。米ツアー公式サイトは「ツアーで最も難しい上がり3ホール」と紹介する。過去開催された大会の平均スコアは16番4.23、17番3.31、18番4.40。刑務所を舞台にした人気映画にちなみ「死刑台への道」という意味で名付けられた。16番は第2打地点からグリーンにかけ左側に大きな池があり、17番は池越えでアイランドグリーンのような構造。18番もティーグラウンドからグリーンまで左に小川が流れている。