宮里藍「失うものはない。思い切ってプレーできる」14日から現役最後のエビアン選手権開幕


11日、練習後に大会カラーを意識したネイルアートを披露した宮里藍(カメラ・高橋 宏磁)

 【エビアン(フランス)12日=高橋宏磁】米女子ツアーの今季メジャー最終戦、エビアン選手権は14日から17日までエビア公式会見ンリゾートGCで4日間行われる。現役最後の試合となる宮里藍(32)=サントリー=が、当地で公式会見に臨んだ。記者会見では「失うものはない。思い切ってプレーできると思う」と早くも戦闘モード全開。自身の最終戦で悲願のメジャー初制覇を目指す。

 プロゴルファー宮里藍としてのラストマッチ。開幕まで残り2日。本人に涙はおろか、感傷的な気持ちも、全くない。最後の公式会見は力強い言葉が次々と飛び出した。「やるべきことをやり尽くした上での決断。怖いものはない。プレーする上で失うものもない。思い切ってプレーできる」

 予選2日間、曽雅ニ(台湾)、ポーラ・クリーマー(米国)との同組は大会の計らいで自ら選んだという。「友人として一緒に回りたい選手はたくさんいたけど、最後までいい緊張感を持って回れる選手がいい」。最終戦を勝利で飾るため、ペアリングも万全を期した。

 2度の優勝を果たし、米ツアーでは最も思い出深い大会だ。09年(当時はエビアンマスターズ)はスランプを乗り越えて栄冠をつかみ、11年は東日本大震災で被害を受けた被災地のファンに感動と勇気を届けた。「思い入れのある試合。これ以上ない舞台だと思っている」と意気込んだ。

 13年にメジャー昇格。コースは大幅に改造され、飛距離も伸びた。14、16年は予選落ちするなど苦戦が続く。8ホールを回った12日の練習ラウンドでもショットが乱れる場面があったが、不安はない。「予選通過を目指しても仕方がない。上しか見てない」

 会見の前には小雨と冷たい風の中で強豪モリヤ・ジュタヌガーン(タイ)らと談笑しながらコースの状態を確認した。06年の米ツアー本格参戦後、ずっと目指してきたメジャー勝利。初日は14日午前8時7分(日本時間同午後3時7分)に10番からスタート。夢をかなえる最後の戦いに挑む。

 ◆藍に聞く

 ―引退を撤回する気はないか?

 「ないです」

 ―今、心残りなことは?

 「ツアーの友達と別れること。父が病気になって、会場に来られなかったことは残念」

 ―尊敬するアニカ・ソレンスタムから助言は?

 「これからもっと人生は楽しくなると。この先、何か一緒にできたらいいねとも言われました」

 ―さみしさは?

 「ないと言ったらうそになるけど、最後のメジャー。挑戦したい気持ちが勝っている。最後にどう思うかは自分でもわからない」

 ―曽雅ニやポーラ・クリーマーとの思い出は?

 「ポーラに(05年に)米ツアーの最終予選会を受ける前に『試合のつもりで勝て』と言われたことを覚えている。曽とはいつもいい緊張感で回れる」

 ―右肩の状態は?

 「痛みはないが、寒いので。そこ(寒さ)が唯一の敵」

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