今年9月に現役を引退した宮里藍さんの特集番組「宮里藍、幸せな決断。」が24日深夜0時10分からテレビ朝日系で放送される。スポーツ報知では同番組の映像を入手。藍さんは引退会見を行う2週間前の5月10日と、引退後の11月にも同番組の独占取材に応じ、引退を決断した経緯や葛藤などを語っていた。約5年、藍さんの担当記者を務めた高橋宏磁記者が、同番組を3日早く「見た」―。
あんなラフな姿の藍さんを見たのは初めてだ。5月中旬、故郷・沖縄で収録したインタビュー。その装いは真っ白な無地のTシャツにジーンズというカジュアルなものだった。飾らない自分を見せるという決意が、格好にも現れていたように感じた。
番組内では引退を決断するまで約4年も悩み抜いたことを赤裸々に語っている。12年から以前のような強い闘争心を持てなくなった。翌年にはパターのイップスになった。「これだけは乗り越えよう」と自らを奮い立たせて戦ったが、長くは続かなかった。「100あったゴルフへの情熱が、2とか3とかぐらいになった。その中でパターを克服するのはすごく難しかった。何かが欠けたままプレーするのはつらかった」。
ゴルフへの愛情だけでプロを続けたが、葛藤は続いた。「中ぶらりんのまま(試合を)やっている自分自身を許せない自分もいた。去年8月ぐらいに、次の一歩を踏み出してもいいのかなと。プロゴルファーの理想からはかけ離れていた。乗り越えようと固執して時間が過ぎることに意味を感じなくなった。もっとできることがあると思ったりした」と明かしている。
藍さんが最初に同番組の取材に応じたのは、引退会見を行う2週間前の5月中旬。その後、11月にもインタビューに応じた。引退会見前の“独白”はもちろんだが、9月の引退後、テレビ局の取材に応じたのは、この1回しかない。聞き手が信頼できる旧知の人物だったからこそ、素顔を見せようと思ったのだろう。
正直に語ったのは、引退の経緯だけではない。過去には父の優さんと意見の食い違いから衝突。東村の家に帰らなかった経験があることまで明かしている。知られざる裏話が満載の番組の最後には引退記念グッズも用意されている。放送は24日深夜0時10分から。ファンにとってはうれしい“クリスマスプレゼント”になりそうだ。(高橋 宏磁)