畑岡奈紗V3へ猛チャージ、ベストスコア66で2差2位浮上


10番で第3打のバンカーショットを放つ畑岡奈紗。通算7アンダーで2位に浮上した(カメラ・今西 淳)

10番で第3打のバンカーショットを放つ畑岡奈紗。通算7アンダーで2位に浮上した(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本女子オープン第2日(28日・千葉CC野田C)

 1968年から4連覇した樋口久子(72)=日本女子プロゴルフ協会顧問=以来2人目の3連覇を狙う畑岡奈紗(19)=森ビル=が7バーディー、1ボギーでベストスコア66の猛チャージ。通算7アンダーで、17位から首位と2打差の2位に浮上した。海外メジャー2勝で世界ランク4位の柳簫然(28)=韓国=と予選ラウンド2日間を同組で回り、初日の6打差を追い付いた。

 NASAが圧巻のロケットチャージを見せた。その時点で暫定首位だった柳に1打差と迫って迎えた難関の後半8番パー3(201ヤード)。4ユーティリティーで放った第1打を20センチにつけた。もう少しでホールインワンのスーパーショットを放ち、記録が残る1985年以降の第2Rでは最多となる7548人の観衆を沸かせた。

 「声援(の量)が一瞬だけ下がったので、惜しかったんだなと思った」。前半の11番、後半1、7番に続く4度目のベタピン。米国仕込みのプレーでスタート時に6打差あった柳を捉えた。7月の海外メジャー・全米女子プロでプレーオフ(優勝は朴城ヒョン)を戦ったライバルとの再対決。「2人でやっているわけではないので意識せずに。トップに絡めるようにという気持ちで」と控えめだが、9番グリーン上では風格たっぷりにスコアボードをじっと眺めた。

 日本ツアーで最も権威のある大会で、樋口の背中を追い続ける。男女通じて日本勢で唯一、海外メジャー(1977年全米女子プロ)を制し、今大会でも4連覇を含む8勝を挙げたレジェンド。「どの試合でも歴代覇者に名前があってすごい」。樋口は米ツアー2年目で初優勝を果たした後輩の活躍を「今年からお母さん(博美さん)が付いて、食事の面で心配がない」と分析している。

 畑岡は初日(27日)の夜、コース近郊のファミレスで好物の「トマト風味・魚介入りスープパスタ」を食べて英気を養った。博美さんが「その(チェーン店の)味に近づけようと米国でも料理で使う」と明かすのが、米キャンベル社が製造する「V8」という野菜ジュースだ。「スコアはまだ十分ではない。3~4メートルの好機を外しているので」と貪欲な19歳は、支えてくれる母に“V3”で応える。(岩原 正幸)

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