◆女子プロゴルフツアーメジャー第3戦日本女子オープン第3日(29日、千葉CC野田C=6677ヤード、パー72)
4打差7位から出た菊地絵理香(30)=オンワードホールディングス=が7バーディー、2ボギーのベストスコア67で回り、通算10アンダーで首位に並んだ。今大会は2度の2位を含む、5年連続トップ10と好相性を誇る。プレーオフ(PO)負けした15年大会の悔しさをバネに初メジャー優勝を狙う。
クールな菊地が、珍しく感情を爆発させた。15番で10メートルのバーディーパットを沈めると、右手を上下に5度揺らしてガッツポーズをつくった。雨の悪条件で首位に立ち「本当にいい位置で終われるとは思っていなかったので、5アンダーは結構大きい」と胸を張った。
100ヤード以内のショットがさえた。3連続バーディー後の9番のピンチでは残り70ヤードの第3打を51度ウェッジでピンそばに寄せ「いいパーだった」。18番パー5は残り50ヤードの第3打を3メートル半につけてバーディーを奪った。「(3年前と比べ)100ヤード以内のショットが一番良くなった」。そう成長を実感するのも、3年前の屈辱があったからだ。
今も忘れない15年大会(石川・片山津GC白山C)。第3日、67で単独首位に立ったが、最終日に74と崩れ通算2アンダーで3人が並びPOへ。4ホールの激闘で、海外メジャー通算2勝の田仁智(韓国)に敗れた。「鮮明に覚えている」。3打目に微妙な距離が残るパー5で、最終日に1つしか伸ばせなかった。3年間重点的に磨いてきた技が、首位浮上の原動力となった。
今季は5月までに2位が3度と好調だったが、6月に持病の腰痛を発症。7月には背中痛で2度目の棄権を強いられた。今大会も初日に首を痛めながら「針治療をしてもらって、日に日に良くなっている」。
我慢比べが多い難セッティングの今大会とは、相性がいい。2位に入った13年から5年連続でトップ10をマーク。それでも16年(10位)は6打差、17年(8位)は12打差と連覇した畑岡の影すら踏めなかった。最終組の1つ前に19歳が追うが「あまり神経質にならず、いい意味で鈍感で行けるか」。今季初優勝で初の女子ゴルファー日本一へ、自身のプレーに集中する。(岩原 正幸)