ウォーターショット成功の今平周吾が5位に急浮上


10番、ティーショットを放つ今平 

10番、ティーショットを放つ今平 

 ◆男子プロゴルフツアーマイナビABC選手権 第3日(27日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)

 20位から出た今平周吾(26)=フリー=が、最終18番パー5で池からの「ウォーターショット」を成功させてバーディーを奪うなど7バーディー、2ボギーの67。通算8アンダーで首位と4打差の5位に急浮上した。初優勝を目指して首位からスタートした木下裕太(32)=フリー=は71で回り、通算12アンダーで首位をキープ。2打差の3位から出た韓国のH・W・リュー(37)=フリー=が69で回り、首位に並んだ。

 さすが賞金ランク1位の男だ。今平がギャラリーを沸かせた。

 18番パー5。4アイアンで放った残り209ヤードの第2打はグリーン手前に広がる池を一度は越えたが、傾斜で転がり戻る。さらにビーチバンカーを越えて静かに池に落ちた。ただ、ボールは水面から半分出ている状況。ピンまで30ヤード。今平はウォーターショットを選択した。左足はビーチバンカー、右足は池。豪快な水しぶきとともに打ち出されたボールは美しい放物線を描き、ピン奥1メートルへピタリ。劇的なバーディーを奪った。

 「距離感が分からなかったが、うまく行きましたね。バンカーとほぼ同じ。フェースを開き、上から打ち込みました。右の靴下もぬれていませんよ」。周囲の興奮とは対照的に冷静に説明した。「練習ラウンドでもウォーターショットはやりませんでした。池には入れたくないから」。

 2008年の今大会。最終日18番で石川遼(27)=カシオ=がほぼ同じ状況のウォーターショットを決め、プロ初優勝を飾った。「テレビで見ていました。感動しましたね」と静かに振り返る。当時、埼玉栄高の1年生。10年の時を経てトッププロに成長し、伝説のショットを再現した。

 昨年5月の関西オープンで初優勝した際“美人過ぎるキャディー”と話題になった若松菜々恵さん(22)と今年5月に婚約。先週のブリヂストンオープンでは、その若松さんが見守る中で今季初優勝。賞金ランクは首位を快走中。今、公私ともに勢いに乗っている。首位との差は4打あるが、決して諦めていない。「差があるので最終日も攻める気持ちでいきたい」と自身初の2週連続優勝へ意欲を見せた。

 一方、10年前に伝説をつくった石川は大苦戦。77と崩れ28位から55位に後退した。18番では残り195ヤードから4アイアンで果敢に2オンを狙ったが、つま先下がりの難しい位置だったこともあり、5メートル以上も足りずに池ポチャ。水深は不明。ウォーターショットが不可能なほど池の縁まで遠かった。

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