金沢志奈、史上3人目の繰り上がり出場Vだ…2日前に出場権ゲットで2打差3位発進


6番をパーセーブし笑顔の金沢志奈。初日1アンダー3位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

6番をパーセーブし笑顔の金沢志奈。初日1アンダー3位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース第1日(4日、静岡・葛城GC山名C=6564ヤード、パー72)

 ツアー本格参戦2年目の金沢志奈(23)=レイクウッドコーポレーション=が2バーディー、1ボギーの1アンダー71で、首位と2打差の3位と好発進。17年ゴルフ5レディスのO・サタヤ(タイ)、18年マンシングウェアレディース東海クラシックの香妻琴乃に続く、史上3人目の繰り上がり出場Vを狙う。黄アルム(韓国)が3アンダー69で首位。

 出場権が巡ってきた幸運を生かし、金沢がショットで難コースを攻略した。グリーンを外したのは3回だけ。強風でアンダーパーが6人しかいない中、後半の4番パー3では8アイアンで1メートル半につけるなど71をマークした。「グリーンに乗せることだけを考えた。風の中、いいプレーができた」。自己最高の3位発進に胸を張った。

 昨年は賞金ランク57位でシードを逃し、最終予選会でも52位と今季の出場は限られる。今週は繰り上がりを期待して会場で調整していると、開幕2日前(2日)に欠場者が出た。「ギリギリで入れた」。優勝なら史上3人目。欠場して枠を空ける形となったのが、昨年9月に繰り上がり出場から優勝した香妻(理由は腰痛)という“因縁”もある。

 今週の海外メジャー、ANAインスピレーションで戦う2人に影響を受ける。前週の起亜クラシックで米3勝目を挙げた世界ランク4位の畑岡奈紗(20)と同じ茨城・笠間市出身。国体には3年連続でともに出場し、15年には団体優勝した。「奈紗ちゃんがいると心強かった。私も頑張らなきゃいけない」と、後輩から刺激をもらった。

 1月半ばからは1か月間、元世界1位で日本ツアー通算21勝の申ジエ(韓国)のベトナム合宿(前年まではタイ)に「5~6年連続で」参加した。所属事務所の先輩で憧れる申から授かった「たくさん食べるのも仕事」という言葉を胸に、オフは体重4キロ増に成功し、54キロと安定感が増した。

 大学を中退して17年のプロテストに勝みなみ、新垣比菜(ともに20)らと同期で一発合格した23歳。「出られる一試合一試合で、自分の力が出せたらいい」と、混戦模様の2日目以降へ気合を入れた。(岩原 正幸)

 ◆金沢 志奈(かなざわ・しな)1995年7月29日、茨城・笠間市生まれ。23歳。8歳から競技を始め、中央学院大3年時の16年に日本女子学生選手権を制すると中退を決意。17年の下部ツアーで1勝。最高成績は昨年ほけんの窓口レディース5位。今季はこれまで3試合全て主催者推薦で出場。コーチは日本ツアー1勝の金愛淑さん。164センチ、54キロ。家族は両親。

 ◆繰り上がり出場とは

 日本女子プロゴルフ協会の規定では「現地ウェイティングシステム」と記される。出場を希望する選手は、その週に会場で練習しながら出場枠が空くのを待つ。欠場者が出た場合には、開幕前日の午後5時までに会場内で登録を行わなければならない。

最新のカテゴリー記事