◆男子プロゴルフツアー アジアンツアー共同主管 アジアパシフィックオープンダイヤモンドカップ 最終日(12日、千葉・総武CC総武C=7333ヤード、パー71)
5打差の15位からスタートしたアマチュアの米沢蓮(19)=東北福祉大2年=が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算2アンダーで1打2位に食い込んだ。初優勝&ツアー史上6人目のマンデー予選突破からの下剋上Vを果たした浅地洋佑(25)=フリー=にわずかに及ばなかったが、19歳の新鋭が抜群の存在感を見せつけた。
米沢が日本ゴルフ界のレジェンドに続くツアー史上4人目のアマ優勝に迫り、ギャラリーをざわつかせた。平均スコア4・515の最難関ホール、15番パー5(506ヤード)。グリーン手前7ヤードから58度のウェッジで直接ねじこみチップインバーディー。2番目に易しい17番パー5(595ヤード)でも確実にバーディーを奪い、通算2アンダーでホールアウトした。その時点で通算3アンダーで首位の浅地は15番ホール。難しい林間コースではスコアを落とす危険は常に背中合わせ。米沢は優勝の可能性を十分に残してホールアウトした。
日本男子ツアー(1973年の制度施行後)でアマ優勝を果たした選手は、倉本昌弘(1980年・中四国オープン)、石川遼(2007年・マンシングウェアKSB)、松山英樹(2011年・三井住友VISA太平洋マスターズ)の3人だけ。4人目の歴史的快挙が現実味を帯びた。
米沢はプレーオフに備えて練習場に直行。「待っている間、落ち着かなかったです。ドキドキしました」と正直に振り返った。
緊張感が漂う最終18番。浅地が2メートルの微妙なパットを決めて勝負あり。1打及ばず2位惜敗となった。「ローアマを取れたうれしさと優勝できなかった悔しさ、半々ですね」と苦笑いしながら話した。
プロツアー初参戦となった昨年に日本オープンでは33位と健闘した。2戦目の今回は大きな見せ場をつくった。「尊敬する選手は、大学の大先輩の松山さんです。いつか、僕もマスターズに出場したい」と野望を明かす。米ツアー5勝を誇る松山、日本ツアー20勝の池田勇太、今年のマスターズで58位になった1学年先輩の金谷拓実らに続き、また東北福祉大から逸材が台頭。米沢蓮、19歳。日本ゴルフ界に新たなスター候補生が誕生した。「
◆米沢 蓮(よねざわ・れん)1999年7月23日、岩手県生まれ。19歳。9歳からゴルフを始める。18年4月に盛岡中央高から東北福祉大に入学。同年8月のアジア大会で大学の先輩の金谷拓実らとともに団体で金メダルを獲得した。ドライバーの平均飛距離は280ヤード。174センチ、70キロ。