美人プロ大西葵、足つっても暫定首位 名キャディー清水重憲さんと初コンビ


5番ティーショットを放った大西葵は、右足ふくらはぎをつって座り込み顔をしかめた

5番ティーショットを放った大西葵は、右足ふくらはぎをつって座り込み顔をしかめた

 ◆女子プロゴルフツアー 大東建託・いい部屋ネットレディス 第1日(1日、山梨・鳴沢GC=6605ヤード、パー72)

 雷雨のため出場119人のうち、60人がホールアウトできなかった。美人プロ大西葵(25)=YKK AP=が6バーディー、1ボギーの67で回り、暫定首位に立った。後半の5番で右ふくらはぎをつるアクシデントも前向きに捉え、念願のツアー初優勝を目指す。菊地絵理香(31)=オンワードホールディングス=も6バーディー、1ボギーの67で回り暫定首位。5ホール消化で4アンダーとしている浜田茉優(23)=伊藤園=が1打差の暫定3位。「セクシークイーン」と呼ばれる韓国のアン・シネ(27)=NOW ON=は80の大たたきで暫定最下位となり、ホールアウト後に棄権した。

 ちょうど5年前にプロゴルファーになった記念日に大西が自己最長となる6連続バーディーを決めた。10番からスタート。13番パー4でボギーが先行したが、16番パー4でグリーン奥からチップインバーディーを奪うと、一気に波に乗った。3番まで6連続でスコアを伸ばした。

 「これまで最長連続バーディーは3くらいかな。6連続なんてプライベートゴルフも含めて初めて。でも、ラウンド中は集中していたので、6連続なんて気がつきませんでした」

 67で回り、暫定ながら堂々の首位に立った美人プロは会心の笑みを見せた。

 終盤では、まさかのトラブルが発生した。5番パー4で第1打を放った後、右ふくらはぎをつるアクシデントに見舞われたが、大事には至らず、ホールアウト。「こまめに水を飲んでいましたが、つってしまいました。スイングが浮くので(右足を)抑え込もうとして我慢したら、ガチッと(つった)。意識する筋肉を使えたからかな」とアクシデントも前向きに捉えた。

 本来、当たり前にできるはずの動きができなくなるイップス。ゴルフではパットの際に“発症”する選手が多く、多くの選手が克服できずにひっそりとツアーの表舞台から消えていった。9歳でゴルフを始めた大西は千葉学芸高を卒業し、2年目の2014年に2回目の挑戦でプロテストに合格したが、実はその頃からイップスに悩まされていた。

 特に昨年から悪化し、13試合中9試合で予選落ち。今季前半戦の優先出場権を争う最終予選会では4位と健闘し、希望を持って19年シーズンを迎えたが、開幕から4試合連続で予選落ち。「全く手が動かなかった」と振り返る。

 大スランプ脱出のヒントは世界最高峰の米男子ツアーにあった。長めのシャフトを左腕に固定するアームロック式でパットする選手が続出。特に独特の理論を持ち「科学者」と呼ばれるブライソン・デシャンボー(25)=米国=のプレーを参考にした。また「カップに入らなくても手が動けばいい」と精神的なハードルを下げたことも奏功した。

 プロ6年目を迎えた初戦で念願の初優勝を目指す今大会、心強い“相方”がいる。男女合わせて日本ツアー最多と言われる38回の優勝をサポートした清水重憲キャディー(45)と初コンビを組んだ。「もっと厳しい人だと思ったら、安全にという感じ。(グリーンを狙うショットでは)2~3メートルにつけたいと思うのですが、清水さんは5メートルでいいよ、と。楽にプレーできます」と感謝した。

 自己最高成績は15年マスターズGCレディースの7位。今年4月のKKT杯バンテリンレディスでは首位で迎えた最終日に80をたたき、42位に終わった。「私、下手クソなくせに1個のボギーですぐにキレるんです」笑顔で自虐ネタを披露する大西は、自らの弱さを認める強さを持つ。富士山の麓で行われる今大会。名キャディーと初タッグを組む個性派美人プロが、いよいよ“頂点”を目指す。

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