渋野日向子、2差4位で1億円グイッ Vなら藍に次ぐ年少2位


通算5アンダーの4位でホールアウトし、クラブハウス前で声を掛けられたギャラリーに笑顔で応える渋野日向子(カメラ・関口 俊明)

通算5アンダーの4位でホールアウトし、クラブハウス前で声を掛けられたギャラリーに笑顔で応える渋野日向子(カメラ・関口 俊明)

 ◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス第2日(30日、北海道・小樽CC)

 AIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り通算5アンダー。大会前に急性副鼻腔(びくう)炎を発症し、一時は出場が危ぶまれたが、猛チャージで19位から首位と2打差の4位に浮上した。

 優勝すれば、宮里藍の19歳141日に次ぐ年少2位(20歳290日)での年間獲得賞金1億円突破となる。鈴木愛(25)=セールスフォース=らが7アンダーで首位。

 “後半のシブコ”が地力を発揮した。渋野は13番で2オンに成功しイーグルを奪うと、18番もバーディー締め。全英の通算18アンダー全てを稼ぎ出した後半にまたも伸ばし、2打差4位で優勝争いに加わった。「疲れた。このスコアは予想していなかった。よう、やってるなー」と息をついた。

 副鼻腔炎発症で練習不足のまま強行出場。「その時(26、27日)は(右ほほ辺りが)痛かったし、熱もあり出られるか分からなかった。『無理して出なくてもいい』と周りから言われたけど、今の結果を見たら、どうしたんだって感じ。ビックリ」と目を丸くした。

 この日は憧れのソフトボール女子日本代表・上野由岐子投手(37)が顎の骨折から復帰登板。「(渋野に)親近感が沸く」などとコメントしていた上野の復帰を問われると「本当ですか。ぜひテレビでやって欲しい。刺激をもらっているのは私の方なので光栄。頑張りたい」と目を輝かせた。

 今月は全英、帰国即出場した北海道meijiカップ(13位)、2週前のNEC軽井沢72(3位)と全試合で上位争い。日本屈指の難コースでも連続イーブンパー以上を26ラウンド(R)に伸ばし、アン・ソンジュ(韓国)の最多記録28Rを視界にとらえ「できる限り続けて記録を出したい」と気合を入れた。

 現在は賞金ランク2位(約8479万円)につけ、優勝すれば1800万円を加算し、国内だけで年間獲得賞金1億円を突破する。20歳290日の達成なら2004年宮里藍の19歳141日に次ぐ年少2位の記録だ。約1413万円差で追う賞金トップの申ジエ(韓国)を抜き、賞金ランクで初の1位に立つ可能性もある。「予選通過できてホッとしているけど、特に優勝争いは考えずやりたい。あと2日頑張れば結果は付いてくる。ノビノビやります」と自然体で偉業に挑む。(岩原 正幸)

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