大勢のギャラリーが待ち構える前を練習に向かう松山（カメラ・竜田 卓）
◆米男子プロゴルフツアー ＺＯＺＯチャンピオンシップ（２４日から、千葉・アコーディア習志野ＣＣ＝７０４１ヤード、パー７０）
米男子プロゴルフツアーで日本初開催のＺＯＺＯチャンピオンシップは２４日から４日間、千葉・習志野ＣＣ（７０４１ヤード、パー７０）で開催される。日本人最多となるツアー５勝の松山英樹（２７）＝ＬＥＸＵＳ＝は２２日の公式会見で「日本でやる試合なので勝ちたい」と意気込みを語った。この日は練習日で、悪天候にもかかわらず、火曜日としては極めて異例の１万人超えとなる１万１０６３人の観客が来場した。
午後に会場入りした松山は、引き締まった表情で会見に姿を見せた。「日本でやる試合なので、勝ちたい気持ちが強い。トップ選手がこんなに出て、たくさんのギャラリーがいる楽しみな１週間になる」。直前に雨の中でショット、パットを調整。同学年の石川遼（２８）と談笑する場面もあり、母国で初の米ツアー開催を楽しんでいる様子だ。
前週のＣＪカップ（韓国）は最終日に６５をマークし、今季３戦目で最高の３位に入った。「不安しかない」と明かしていたが「あまり（調子は）変わらないけど、日本の皆さんの応援で変わるかもしれないので期待したい」と前向きに語った。ツアー公式サイトの優勝予想番付でも「ホスト国でトップランクのタレント」と、コメント付きで３位に推された。
この日の公式練習には、１万１０６３人が詰めかけた。「天気が悪い中たくさん来てびっくり。米国では日本語で応援されることはあまりないのでうれしい」と感謝した。過去にはタイガー・ウッズ（米国）が出場した２００１年Ｗ杯（静岡・御殿場）の大会２日前練習に４２００人が来場した例がある。この日は祝日だったこともあるが、大会関係者が「火曜日としては国内初の１万人超え」と驚くほどの盛り上がりで、大会期間には更なるフィーバーが予想される。
予選ではメジャー３勝のジョーダン・スピース（米国）、１３年マスターズ覇者のアダム・スコット（豪州）と同組で回る。「ジョーダンは最近調子が悪かったけど、先週（８位）いいプレーをした。アダムとは３週前に回ったのでプレーしやすい。３人でしっかりできたら」。１４年ダンロップフェニックス（宮崎）でスピースと４日間、１６年日本オープン（埼玉）でスコットと２日間回り、ともに優勝した松山には“追い風”となる。
２１日の特別試合スキンズマッチで１８ホール回ったコースの印象を「（約）７０００ヤードと短い感じもするが、長く感じるホールもある。ロングショットも大事」と語った。自らも、そしてホームのファンも、２年２か月ぶり優勝を期待している。（岩原 正幸）
◆松山の米ツアー５勝
〈１〉１４年６月メモリアル・トーナメント ケビン・ナ（米国）とのプレーオフ（ＰＯ）を制し、日本勢４人目の快挙を２２歳の最年少で達成。
〈２〉１６年２月フェニックス・オープン ツアー屈指の人気者リッキー・ファウラー（米国）とのＰＯでは完全アウェーの雰囲気の中、勝利。
〈３〉同１０月ＨＳＢＣチャンピオンズ ２位に７打差圧勝。１９９９年に創設した世界選手権シリーズの個人戦優勝はアジア人初。
〈４〉１７年２月フェニックス・オープン ウェブ・シンプソン（米国）とのＰＯを制し日本男子初同一大会連覇。
〈５〉同８月 ブリヂストン招待 最終日にプロ転向後、自己最少の６１で大逆転。ウッズが１３年に、松山の目前で出した大会コース記録に並ぶ。
◆ＺＯＺＯチャンピオンシップ
▽主催 株式会社ＺＯＺＯ、米ツアー
▽共催 日本ゴルフツアー機構
▽賞金 賞金総額９７５万ドル（約１０億４８３２万円）、優勝１７５万ドル（約１億８８１６万円）で国内大会では史上最高額。日本ツアーへの賞金加算は５０％
▽出場選手 ７８人。６０人は米ツアーメンバーで前年実績によって決定。日本ツアーから１３人
▽競技方法 予選カットなしの７２ホールストロークプレー