ルーキー吉田優利、おうち時間で基本見直し「再開したら全力」…頭脳派女子大生プロの素顔に迫った


オンラインで取材に応じた吉田優利

オンラインで取材に応じた吉田優利

 女子プロゴルフの注目ルーキー・吉田優利(20)=エプソン=が、テレビ会議アプリ「Zoom」で、29日までにスポーツ報知のインタビュー取材に応じた。アマチュア時代の18年に日本女子アマ選手権と日本ジュニアの史上3人目の同一年2冠を達成した、2000年生まれの“ミレニアム世代”の一人。論理的な思考を持ち、SNSや試合への準備を大切にする頭脳派女子大生プロの素顔に迫った。(取材・構成=榎本 友一、岩原 正幸)

 記念すべきプロ1年目は、新型コロナウイルスの影響で全37試合中、19試合が中止に。日本女子プロゴルフ協会は、20年と21年を同一シーズンに変更した。

 「プロデビューの年なので、ゴルフができないのは残念です。再開した時に、思い切って全力でプレーができたらいいですね」

 アマチュアの妹・鈴(りん、16)=千葉黎明高2年=とともに調整を続ける。

 「家かコースか練習場という生活。基本的なスイングを見直す期間ですね。持久力につながるので縄跳びを始めた。1分間跳び続けたり、二重跳びを数十回」

 今年の目標と将来的な夢を抱きつつも、現実をしっかりと見据えている。

 「今年はシード権獲得が目標でした。将来的には賞金女王や米ツアーというのもあるんですけど、近い目標から達成できればいい」

 アマ時代から女子ツアーで活躍する同世代の安田、古江、西村とは仲良しだ。

 「1人だけ関東でやってきて、(アマの)日本代表チームで初めて一緒になった。気を使わない仲ですね。話を聞くと環境の違いや皆、こんなに練習しているんだってことが分かった」

 18年には、宮里藍さん以来の同一年の女子アマ日本タイトル2冠を獲得した。

 「試合に向けた準備を一番大事にしていた。(授業などで)人よりも練習はできないけど、コースでの情報収集量で上回ろうって。ヤーデージブックは情報でいっぱいにして、プレーする時にそれを目いっぱい使うことを大事にしていましたね」

 昨年5月、左手親指を痛めて半年ほど戦線離脱。日本予選を突破して6月のメジャー、全米女子オープンには強行出場も予選落ち。

 「全米女子は指が痛過ぎましたね。その後、ゴルフができないストレスで部屋から出られない時期もあった。その時にYouTubeを見まくって、頑張らなきゃと思えた。食べる動画を一番良く見ていました」

 今年、YouTubeチャンネルの運営会社UUUMとアンバサダー契約を結んだ。既に同社のゴルフ動画にも出演している。

 「契約は本当にうれしかった。(2人組のユーチューバー)おるたなチャンネルが一番好きで。対面できたら? 泣いちゃいそう」

 昨年5月のメジャー、ワールドレディスサロンパスカップでは最終日最終組で、渋野日向子(21)の初優勝を目の当たりにした。

 「日向子さんの印象はバランスのとれた選手。パターのうまさが一番ズバ抜けてて。あのくらいショットの精度が高くて、パターも入れないと、優勝できないんだなって感じましたね」

 ツアー再開を待望するファンに向け、SNSで日々の練習などを発信中だ。

 「今、自分にできることはSNSを使ってゴルフをしている姿を届けること。そこは積極的にやりたいと思っています」

 ◆ミレニアム世代 女子ゴルフで将来有望な逸材がそろう2000年度生まれ。昨年のアジア太平洋女子アマ選手権優勝&オーガスタナショナル女子アマ3位の安田を筆頭に、昨年の富士通レディースで7人目のアマチュア優勝を遂げた古江、プロテスト2位の西村、米ツアーに参戦中の山口すず夏ら。2学年上の「黄金世代」は通算4勝の勝みなみ、世界ランク4位の畑岡奈紗、日米通算5勝の渋野ら。プロ野球では1980年度生まれの「松坂世代」が有名。

 ◆吉田 優利(よしだ・ゆうり)

 ▽ゴルフ歴 10歳から父・英隆さんの影響で始める。2016年後期からアマチュアのナショナルチーム入り。昨年のプロテストで一発合格し、最終予選会20位で今季前半戦出場権を獲得。得意クラブはドライバーで平均飛距離は240ヤード。プレーの身上は「粘り」。

 ▽おうち時間 漫画やアニメに「のめり込んでます」。「鬼滅の刃」、「約束のネバーランド」も読破。

 ▽好物と苦手 リンゴあめが好きで新宿の専門店に通う。パクチーと大葉が嫌い。

 ▽好きな言葉 「聡明です。物事の先が見通せる。ゴルファーだけでなく、人としてそうありたい」

 ▽家族 両親と弟、妹。

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