◆米男子プロゴルフツアー ロケットモーゲージクラシック第3日(4日・米ミシガン州デトロイトGC)
55位で出た松山英樹(28)=LEXUS=は、持ち前の高精度のショットを連発して7バーディー、ボギーなしの65と猛チャージ。通算12アンダーで首位と7打差の13位へと急浮上した。最終日逆転で、17年8月以来となる米ツアー6勝目に挑む。通算1勝のマシュー・ウルフ(21)=米国=がこの日のベストスコア64をマークし、19アンダーで単独首位に躍り出た。
日本のエースが、約4か月ぶりの決勝ラウンドで爆発力を発揮した。松山は7バーディーを量産し、1月以来のボギーなしラウンド。はた目には完璧とも言える好結果も、松山の表情は「(手応えは)ない。まだ自信にはつながらない」と、満足には至らなかった。
ギリギリの予選通過で、この日は午前9時過ぎの早朝スタート。新型コロナ感染対策のため無観客で打球音が響く静寂の中、持ち味のショットで快音を響かせ続けた。フェアウェーを外したのは14ホールのうち2ホールだけ。パーオン率も77・78%で、ショットを武器に次々とチャンスをつくった。
4つのパー5は全てバーディー。4番は89ヤードからの第3打を30センチ、17番は残り268ヤードからユーティリティーで13メートルにつけるなど3ホールで2オンとショットが光った。グリーン上は3番で1メートルがカップに蹴られるなど惜しい場面もあったが、5番で3メートル、10番で4メートルと要所でのバーディーパットをきっちりと沈めた。
新型コロナによる中断明け2戦目。前戦は新たな感染予防対策などもあり、ペースをつかめずに予選落ち。今大会は初日こそ出遅れたが、新様式にも徐々に慣れ始めて日に日にスコアも上げてきた。通算12アンダー。この日ホールアウト時点では首位に並んだ。
最終日は首位と7打差を追う。「逆転するのはなかなか難しいですけど、しっかりとあした(通算)20アンダー以上を目指して…。今日のショットがあれば、何となく出そうな雰囲気もある。伸ばして良い位置で(先に)終われたら面白い」と松山。今大会から3連戦が予想され、次週と再来週は14年に米ツアー初優勝を遂げた米オハイオ州ミュアフィールドビレッジGCでの開催だ。松山にとっては相性のいいコースだけに、今大会できっかけをつかめれば、日本男子初の米ツアー連勝への期待も膨らんできそうだ。