道産子美人プロ小祝さくらが2勝目 通算17アンダーで先週、笹生優花に惜敗した悔しさ晴らす圧勝


通算2勝目を挙げた小祝(代表撮影)

通算2勝目を挙げた小祝(代表撮影)

 ◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス 最終日(6日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC=6571ヤード、パー72)

 首位からスタートした小祝さくら(22)=ニトリ=が6バーディー、ボギーなしの66で回り、トーナメントレコードとなる通算17アンダーで今季初優勝、昨年7月のサマンサタバサレディース以来のツアー通算2勝目を挙げた。2位に6打差をつける圧勝劇だった。地元の北海道で行われた先週のニトリレディスでは、笹生優花(19)=ICTSI=とデッドヒートを演じた末、惜敗。抜群の安定感を誇る道産子美人プロは、わずか1週間後に見事に雪辱Vを果たした。8月のNEC軽井沢72、ニトリレディスと開催2試合連続優勝を果たした笹生は通算4アンダーで29位だった。

 気温30度を超す残暑厳しい岐阜で、北海道出身の小祝が苦手の暑さにも負けず、勝ち切った。勝利の瞬間、道産子美人プロは爽やかな笑顔を見せた。

 いつも、おっとりとした雰囲気を漂わせるが、先週は珍しく悔しさを隠さなかった。北海道の名門、小樽CCを舞台にして行われたニトリレディス。進境著しい笹生と最終日最終組で対決したが、勝負所でパットが決まらず、2打差2位に終わった。笹生のVスコアは通算13アンダーで小祝は11アンダー。3位タイは3アンダー。ハイレベルのマッチレースを繰り広げた上での惜敗だったが、負けは負け。「まず一番は悔しい。本当にパットが入らなかった」地元出身でニトリ所属のホステスプロは残念がった。

 それから、わずか1週間。見事な雪辱Vだった。

 常に“ほんわかムード”で周囲を和ませている小祝は実は苦労人でもある。中学卒業後、女手ひとつで育ててくれた母・ひとみさん(40)を助けるため、通信制の飛鳥未来高に進学し、ゴルフ場でアルバイトをしながら腕を磨いた。母に毎月3万円を渡し、残りはすべて貯金した。「お金がないから一発でプロテストに受かって」という母の願い通りに17年の初挑戦でギリギリ合格し、プロゴルファーとして歩み始めた。

 1998年度生まれ「黄金世代」のひとりの小祝は抜群の安定感を誇る。ツアーに初めて本格参戦した18年、2年目の19年といずれも13回もトップ10入りを果たした。ただ、昨季まで優勝は1度だけ。良く言えば「抜群の安定感」だが、悪く言えば「勝ちきれない」だった。

 わずか1週間で雪辱Vを成し遂げたことで、小祝さくらは、さらに大きく成長することが期待される。

 ◆小祝さくら(こいわい・さくら)

 ▽生年月日 1998年4月15日、22歳

 ▽出身地 北海道北広島市

 ▽ゴルフ歴 8歳の時、母・ひとみさん(40)とレッスンに通い始める。「まさかプロになれるとは思わなかった」(ひとみさん)

 ▽アマ戦績 2010、12、13、14年に北海道ジュニア優勝。14年北海道女子アマ優勝

 ▽プロテスト 飛鳥未来高卒業後の17年にぎりぎりの19位で一発合格。

 ▽初優勝 19年7月のサマンサタバサレディース。1998年度生まれの「黄金世代」では8人目の優勝者となった。優勝スピーチでは「お疲れサマンサ」と大会名をかけたダジャレでギャラリーを沸かせた。

 ▽安定感 初のツアー本格参戦となった18年、いきなり7500万7442円の賞金を稼ぎ、賞金ランク8位に躍進。19年も8298万2071円の賞金を獲得し、賞金ランク8位。

 ▽尊敬する選手 同じ高校の先輩の藤田光里(25)

 ▽趣味 ライブ観賞、食べること

 ▽家族 母と弟

 ▽サイズ 158センチ、58キロ

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