鈴木愛、得意パットの握りを順手から「クロスハンドグリップ」に2年ぶり変更


ホールアウト後、パター練習場で入念に練習する鈴木愛(カメラ・豊田 秀一)

ホールアウト後、パター練習場で入念に練習する鈴木愛(カメラ・豊田 秀一)

 女子プロゴルフの今季ツアー第6戦、デサント東海クラシックが18日から3日間、愛知・新南愛知CC美浜C(6456ヤード、パー72)で無観客開催される。昨季賞金女王の鈴木愛(26)=セールスフォース=が17日、得意のパットの握りを「クロスハンドグリップ」に変更すると明かした。2018年シーズン以来の試み。今季は調子が上がり切らないパットの名手が、ホステス大会を2季連続の女王への足がかりとする。

 女王が大きな決断をした。2016年、18年、19年平均パット数1位のパットの名手・鈴木は、約2年ぶりにパットの握りを順手からクロスハンドグリップに変更することを明かした。「短い距離の時、クロスハンドグリップの方がスムーズに手が動く。悪いと順手では(球は)フックの回転がかかるけど、クロスは真っすぐ行く。感触もいい」と説明した。

 前週のメジャー、日本女子プロ選手権では気合も入り、「フィーリングも悪くなかった」というが、初日の31パットもあって今季2戦目の予選落ちとなった。1~2メートルの短いパットが決まらず、“練習の虫”と言われる鈴木は「毎日10時間とか練習してるのになんで? ふざけんな」と自分自身へ怒りを爆発させた。16年日本女子プロ選手権でも3日目まで「ショートパットが良くなくて…」とクロスハンドで臨んだ結果、優勝を果たした。気分一新を図るために、16日の練習で試して実戦投入を決めた。

 今季は統合された“1・5年”の長期シーズンとなり、2季連続賞金女王への道のりは長い。だからこそ「40試合以上ある中で数試合悪いだけ。長く見ればうまくいかないことはある」と言い切る。

 前週までの結果を一掃すべく、今週はネイルも一新した。緑や茶系の色を塗って「秋っぽい感じにした」と笑顔でうなずいた。

 今大会は16年の4位などトップ10が3度と好相性で「今度こそ結果を残したい」。強い決意を胸に、名手は練習場でパットを打ち込み本番に備えていた。(宮下 京香)

 ◆クロスハンドグリップ 右打ち選手が、通常とは逆に左手を下にするパターの握り方。右肘が体に密着するため、右脇が開かなくなる。窮屈な形だが、余分な動作は防げる利点がある。また常に一定にヘッドを動かし、正確なストロークがしやすいとされる。強めに打ってしまう“パンチ”が入りやすい人は、これでカップを大きくオーバーするのを防げることが多い。石川遼らパット巧者のトッププロも、大会やグリーンの速さによって通常の握りと使い分けている。

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