金谷拓実 「ゴルフ見て初めて涙」マスターズV松山先輩と五輪目指す


練習ラウンドで選手とタッチを交わす金谷(カメラ・岩崎 龍一)

練習ラウンドで選手とタッチを交わす金谷(カメラ・岩崎 龍一)

 国内男子プロゴルフツアーの2021年初戦、東建ホームメイトカップは15日から4日間、三重・東建多度CC名古屋C(7081ヤード、パー71)で無観客で行われる。ツアー2勝の金谷拓実(22)=フリー=が13日、会場内で調整。東北福祉大の先輩・松山英樹(29)=LEXUS=のマスターズでの日本人初のメジャー制覇の大偉業に感涙したことを明かし、開幕ダッシュで松山とともに、今後のメジャー3大会や東京五輪代表入りを目指す考えを語った。

 憧れのマスターズ王者の背中を追いかける。金谷はこの日、松山の快挙の余韻が漂う会場で仲の良いアマチュアの中島啓太(20)と雨の中、練習ラウンドした。

 13日早朝はマスターズをテレビ観戦。「すごいですね。ゴルフを見て、初めて涙出たんじゃないかな。格好良いなと思いました」。19年のマスターズに一緒に出場した大先輩がグリーンジャケットに袖を通す姿にしびれた。「あれだけいろんな人に感動を与えるってすごいなと思う」。LINEで祝福メッセージを送ると、すぐに「ありがとう」などと返信が届いたという。

 3月で東北福祉大を卒業。“新社会人”として迎えるツアー初戦。「どれだけできるのか楽しみ。この大会で優勝すれば世界ランクが上がって、海外メジャーへのチャンスが増えると思う」と、昨年11月以来の通算3勝目に照準を合わせた。

 世界ランクは日本勢3番手の118位。昨年10月のプロ転向時は218位だったのが、日本と欧州ツアーの好成績で急浮上。「東京五輪に出場することはすごく大きな目標。出る試合は全部優勝するつもりで頑張りたい」。6月下旬までに2番手となり、松山とともに五輪切符獲得へ闘志を燃やしている。日本ツアーの賞金ランクもトップの稲森佑貴に約472万円差の3位(約3639万円)。13年の松山以来、2人目のルーキーシーズンでの「賞金王も取りたい」ともくろむ。

 7月のメジャー、全英オープン切符は獲得済み。次のメジャー、5月の全米プロ選手権(20日開幕・サウスカロライナ州)は世界ランク100位前後が出場権獲得目安で、6月の全米オープン(17日開幕・カリフォルニア州)は同60位以内。「この3、4試合で入っていきたい」と金谷は“開幕ダッシュ”を誓う。松山と同じ元世界アマランク1位の逸材はメジャー王者への大志を胸に一つずつ関門を越えていく。(榎本 友一)

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