稲見萌寧「出場できたらラッキー」初の東京五輪代表圏内見えた…今年12戦5勝で今季6勝目


優勝を果たし永井花奈から祝福される稲見萌寧(左は鈴木愛)

優勝を果たし永井花奈から祝福される稲見萌寧(左は鈴木愛)

◆女子プロゴルフツアー 中京テレビ・ブリヂストンレディス 最終日(23日、愛知・中京GC石野C=6486ヤード、パー72)

 稲見萌寧(もね、21)=都築電気=が4バーディー、ボギーなしの68で通算15アンダーに伸ばし、2位に6打差をつけ逃げ切った。今年12戦5勝で、今季6勝目となる通算7勝目を挙げた。試合前の世界ランク31位(日本勢4番手)から古江彩佳(20)=富士通=を抜き、24位前後に浮上する見込み。米ツアーの3日目終了時点で16位の渋野次第だが、2番手で初の東京五輪代表圏内入りが有力だ。今大会は36ホールの短縮競技で賞金加算は75%。 30センチのウィニングパットを沈めた稲見は、両手を青空に高々と上げるお決まりのポーズで喜んだ。「初日に貯金を作れて心の余裕が大きかった」。初日はツアー最多の13バーディーで、ツアー最少ストロークに並ぶ61。5打差首位で出て、1番で5メートルを決め、3番でチップインバーディーを奪い、68で6打差圧勝と影をも踏ませなかった。

 「ぶっちぎって差を広げて勝つのは、一つの目標だったので良かった」。今年は12戦5勝。圧倒的な強さで不動裕理が持つ2003年の年間最多優勝記録「10勝」も見えてきた。優勝会見では「私は完璧主義者」と2度繰り返し、「ショットもパットも全部向上させたい」と高みを見据えた。

 3月の初戦で63位だった世界ランクは上昇カーブを描き、前週時点で31位。この優勝で18ポイント(予想値)を加え、平均ポイントは「3・43」程度、24位前後に浮上する見込みだ。今週3位の2番手・古江を追い抜き、渋野の米ツアー最終日次第だが、3R通りの順位(16位)であれば計算上は稲見が2番手で、初の代表選出圏内入りが有力となった。

 五輪に関しては「ゴールではないが、目の前の試合を頑張って出場できたらラッキー」といつも通りに答えたが、「日の丸を背負い、数少ない人が出られる名誉なこと。(金メダリストでイメージするのはレスリングの)吉田沙保里さん」とも語った。6月28日の代表決定まで国内は残り5試合。「ここで勝利数が止まらないように。常に上位で頑張って勝ち続けたい」。乗りに乗ってる21歳の勢いは止まらない。(岩原 正幸)

 ◆女子ゴルフの東京五輪への道 6月28日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。本大会は8月4日から4日間、埼玉・霞ケ関CC東Cで72ホールストロークプレーの個人戦で競う。

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