男子プロゴルフツアーの21年メジャー第2戦、日本プロ選手権(報知新聞社後援)は1日から4日間、栃木・日光CC(7236ヤード、パー71)で開かれる。東京五輪日本代表の星野陸也(25)=フリー=は30日、プロアマ戦で最終調整。27日に米国から帰国後、代表選手としての特例措置で出場が認められた。外部との接触を断つ“バブル方式”で厳戒態勢下、防疫対策を徹底しながら自身初のメジャー優勝と賞金王を目指す。初出場の五輪へ「金メダルを目指して頑張りたい」と意気込んだ。
物々しい緊張感が漂う中、五輪代表となっての初戦を迎える。20日付の世界ランクを基に五輪代表になった後、初めて公の場に姿を見せた星野はリモート会見で喜びを口にした。「五輪は昔からテレビで見ていた。出場できることになってうれしく思いますし、金メダルを目指して頑張りたい」と力を込めた。思い出深い五輪アスリートとして「水泳男子の北島康介さんと、体操の内村航平さんがすごく印象に残っています」と2人の金メダリストの名前を挙げた。
20日閉幕のメジャー、全米オープンに出場。当初、今大会は隔離期間中で出場できない見込みだった。日本プロゴルフ協会が日本ゴルフ協会を通じてスポーツ庁などと交渉。東京五輪代表に入った星野は同リザーブの石川遼(29)=カシオ=とともに今大会出場が特例措置で許可された。
2人は27日に帰国後、関係者の車で移動してコース内のロッジに滞在中。コース以外の外出は禁止で食事もロッジ内で取る。打撃練習場の左端に2人専用打席が設けられ、専用のリモート会見場も設置。今大会は各日5000人までの観客が入るが、2人はキャディー以外との接触は原則禁止。2メートルの距離確保が義務づけられ、警備員が帯同する。
星野はこの日、石川とともに10番からの9ホールを回り、最終調整した。五輪に向けて米国→日本→英国→日本という激動の1か月を過ごす。「関係者の方々のご尽力に感謝しています。感染対策をしっかりしながら頑張りたい。ティーショットをフェアウェーに置いていくことがキーになる。日本のメジャーでも勝ちたいし、賞金王も」と現在、賞金ランク1位の大器は、強行日程での出場を決めた理由を明かした。
今大会翌日には五輪前哨戦となるメジャー、全英オープン(15日開幕・英ロイヤルセントジョージズGC)出場のために渡英予定。今はゴルフだけに集中してベストを尽くす。(榎本 友一)
◆星野 陸也(ほしの・りくや)1996年5月12日、茨城・友部町(現・笠間市)生まれ。25歳。6歳からゴルフを始める。中学時代は卓球部。現在も卓球を続けており、日本代表のエース・張本智和との対戦を熱望する。15年に水城高から日大へ進学も2年で中退し、16年にプロ転向。18年フジサンケイクラシックでツアー初優勝。通算5勝。愛称は石川遼が名付けた「リッキー」。186センチ、76キロ。家族は両親と姉、妹。