◆報知新聞社後援 国内男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権 第1日(1日、栃木・日光CC=7236ヤード、パー71)
前回2019年大会王者の石川遼(29)=カシオ=が5バーディー、1ボギーの67をマーク。前戦の全米オープンから投入した47・5インチの長尺ドライバーで飛距離を武器に攻めて、首位と2打差7位で大会9人目となる連覇に向けて好発進した。ツアー1勝の木下裕太(35)=フリー=が、6アンダーの単独首位で滑り出した。
肌寒い雨の日光を、石川の豪打が熱くした。ビッグドライブ連発に、大勢のギャラリーから感嘆の声と拍手が上がり続けた。先月27日に帰国したばかりで同組の倉本会長と星野とは2メートルの距離を常に保ち、ラウンド後のグータッチも封印した。難しい状況の中、首位と2打差の好位置で滑り出し「いいゴルフができたのですごくやっていて楽しかった。根拠のある攻め方ができた。見える景色が変わってきつつある」と明るい表情を浮かべた。
「このコースは300ヤードを超えると、広くなるホールがいくつかある」と前戦から投入した自身最長47・5インチのドライバーを積極的に握った。10番から出て350ヤードの14番は、ドライバーでグリーン手前20ヤードまで運んでバーディー。17番もドライバーで残り83ヤードまで運んで伸ばした。2番は340ヤード超えのビッグドライブからのバーディー。ツアー屈指の長距離砲・星野を何度も置き去りにした。倉本会長も「5月に見た時よりも随分、良くなっている。当時は(第1打は)刻みが多かったが今日はドライバーをうまく打てていた」と変身ぶりを高評価した。
19年からの取り組みが実を結びつつある。腰痛予防と米ツアー再挑戦を見据えて、トップの浅い再現性の高いスイングと肉体改造に着手。今オフはトレーニングに励み、上半身の筋肉は隆起して体重が5キロ増え75キロに。コンパクトなスイングでも「競技人生で一番飛んでいる。キャリーは300ヤード」と話す。全米オープンでも飛距離が武器となり「ショットの基盤となるスイングに成果は感じています」と手応えをつかんだ。
今大会は日本プロゴルフ協会がスポーツ庁などと交渉。五輪代表候補への特例措置が適用され、出場が認められた。外部との接触を断つ“バブル方式”の生活だが、コース内の宿舎に器具を持ち込み1日30分のトレーニングも継続中。「いろんな方にご迷惑をかけて出場させていただいているので」と石川。最高の結果で応えて見せる。(榎本 友一)