松山英樹(29)=LEXUS=は4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算イーブンパーの26位で終えた。コロナ下でもあり帰国はせず、新シーズン開幕戦のフォーティネット選手権(16日開幕・米カリフォルニア州)に6年ぶりに参戦することを決めた。69で回った29歳のパトリック・カントレー(米国)が、21アンダーで今季4勝&通算6勝目を飾った。初のシーズン王者に輝きボーナスとして1500万ドル(約16億5000万円)を獲得した。
波乱万丈だった歴史的なシーズンが幕を下ろした。今季最終日に松山は攻めた。積極的にピンを狙い続けるも、ボールがグリーンからこぼれる場面が目立った。「違和感がまだある。そこが今なかなか上位にいけない部分。あとはパットがうまくいけば」と、現状を自己分析。最終18番(パー5)はバンカーから寄せてのタップインで、「バーディーで終われてよかった」と息をついた。前週までの戦績に応じた打数差をつけて始まった今大会の26位が、そのままシーズン総合順位となった。
コロナ下の今季、新たな道を歩んだ。目沢秀憲コーチを迎え、岩井幹雄トレーナーもチームに加わった。米ツアー本格参戦8季目は27戦に出場し、4度の予選落ち。今年4月のマスターズでは日本男子初のメジャー制覇の歴史的快挙を成し遂げた。「そこだけは褒めたいなと思う」と笑う。一方で、隔離期間を伴う渡航の難しさもあり、トップ10は自己最少の3度だけ。「良い試合はほとんどなかった」と、不満が口をついた。
終盤は東京五輪から6週連続出場となり、疲労を隠せず。「明日は一日何もしないでゆっくりしたい。ちょっとゴルフをしたくないくらいしんどい」。それでも、日本と違う秋の来季開幕戦に、6年ぶりの参戦を決めた。わずか1週間の休息をはさみ、松山の新たな挑戦は幕を開ける。
◆松山の20―21年シーズン
▽20年9月 コロナ禍で延期されたメジャーの全米オープンが初戦で17位。
▽同11月 ヒューストンオープンで2位。史上初の秋開催となったメジャーのマスターズは13位。
▽21年4月 マスターズで日本男子初のメジャー制覇。アジア人で初めてグリーンジャケットに袖を通す。
▽同5月 メジャーの全米プロ選手権は23位。
▽同7月 ロケット・モーゲージ・クラシック第1R後に新型コロナ陽性判定を受けて棄権。
▽同8月 復帰戦となった東京五輪は銅メダルプレーオフ(PO)の末、4位。