男子ゴルフで、来季米下部「コーンフェリーツアー」の2次予選会(10月19日~22日)に出場登録した石川遼(カシオ)は22日、今週行われる日本ツアー・パナソニックオープンの会場で取材に応じた。
米下部ツアー挑戦について「去年から迷っていた。自分にとって必要じゃないかと自問していた」といい、今年6月の全米オープン(予選落ち)にスポット参戦後にはっきりと決断した。「先のことを考えずに自分のやりたいことをやっている状態。理由は慣れることは大事だと思った。一番はゴルフ場の景色。レギュラーツアーとセッティングの差はあると思うけど、米国のコースでのプレーが日常になることが大事。やっぱりスポットでは難しい。QT(予選会)を通過できれば、1年間コーンフェリーツアーでやって、初めて見えてくることもあると思う。数字的な部分も含めて自分のリアルを、現在地を感じられると思う」と説明した。予選会では、昨春から師事する田中剛コーチをキャディー起用する予定だ。
東京・杉並学院高1年時の2007年5月、プロツアー初出場だったマンシングウェアKSBカップで15歳8か月3日で優勝。翌年1月にプロ転向し、09年には史上最年少18歳で日本ツアー賞金王に輝いた。13年から米ツアーに5季参戦し、17年にツアー出場権を喪失。同年に日本ツアーへ復帰すると、19年に3勝を記録して国内通算17勝を挙げている。
石川は改めて口を開き「日本ツアーで初めて勝ってから始まって、今までずっとプロ生活で、下積みというのが僕にはないんです。世間的に言う下積みがないと表現されていいタイプだと思う。ずっと華やかなところでやらせてもらっていた」と指摘。また、17年に米ツアーと米下部ツアーとの入れ替え戦に臨んだ末にシード権を喪失した際の国内復帰の決断を振り返り「当時は米下部ツアーに行きたくないから日本に帰ってきた。(米国でプレーする)慣れがどれだけ必要か分かっていなかった」と話した。
10月7日開幕のブリヂストンオープン(千葉)終了時点で、国内賞金ランク5位以内に入れば、コーンフェリーツアーの2次予選会までが免除され、最終からの受験が可能になる。現在ランク9位につけているが、残り3試合で5位まで約1144万円差。「数字的には厳しいと思っているので、どうせやるならセカンド(2次予選会)からやりたいなという気持ちでいます。初めてQTを受けるので」と見据えた。
今週は23日開幕の国内ツアー、パナソニックオープン(京都・城陽CC=6967ヤード、パー72)に出場する。前週のANAオープン最終日に5ウッドが折れるアクシデントに見舞われたが、この日は練習ラウンドで調整し「ヘッドが無事だったので、同じヘッドとシャフトとグリップは新しいやつで、同じスペックです。(感覚は)問題ないですね。本当に良かった」とホッとした笑顔。17日に30歳を迎えた石川が、大きな挑戦へ動き出す。