驚異のエージシューター田中菊雄の世界158 武藤一彦のコラム-947回連続109R


 エージシュート1000回の大台まであと52回となった令和4年1月1日、田中さんはこれまでやったことのない“元旦プレー”に初挑戦した。コースは、ゴルフ好きのためにセルフプレーを条件に元旦営業する東京郊外の東京国際CC。だが、結果を先に言うと、エージシュートは失敗に終わった。
 3番ホールで凍ったコースをとめどなく転がった球はOBまで行ってしまうなどタフさは予想以上。冬のゴルフは芝の下が凍って思わぬことが起こった。
 「数年前に一回、プレーしているコースだが、冬のコースの堅さ、グリーンの速さにやられた、2オーバーの88、完敗でした」86歳は潔く敗戦を認めた。
 なんで元旦にラウンドしたかだが、エージシュート挑戦から新たな記録が生まれたのがきっかけ。1年365日のうち40日休んだだけという記録を持つ田中さんだが、昨年末は9月13日から連続109ラウンドついに1日も休まず連続してコースを回った。そう、9月中旬から2か月半余、1日も休まず。ここに連続ラウンドの自己最多記録という新たな記録を更新中だったのである。
 そのことを知ったのが、田中さんに感化されエージシュートに挑戦、見事2回達成の長澤さん、「その記録が新年早々に途絶えては後味が悪かろう」と、元旦プレーを計画したというのが”真相”だ。その日は、エージシュート2回、田中さんより6歳年上、92歳の遠藤さん、さらにエージシューター予備軍、78歳の久家さんが加わってのラウンド。エージシューターの心意気や盛ん、ここは尊敬の念すら浮かぶがいかがなものだろう。
 86歳は初の元旦プレーでエージシュートは逃したが、田中さん、連続ラウンドを109と伸ばして意気軒高である。71歳で初エージシュート、72歳時を除く73歳からは14年連続の快挙が続く86歳、昨年末には自己の持つ85歳時218回のエージシュートを早くも上回る221回として大きく進化している。エージシューターは2021年末で948回、今年3月3日、87歳の誕生日の、その1日前までにエージシューター1000回を目指す。残り52回を2か月でクリアできるか。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。86歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。