◆米男子プロゴルフツアー今季メジャー最終戦 全英オープン 第2日(15日、英セントアンドリュース・オールドコース=7313ヤード、パー72)
【セントアンドリュース(英国)15日=宮下京香】35位で出たメジャー初出場の桂川有人(23)=国際スポーツ振興協会=が68をマークし、通算5アンダーの18位に浮上した。5バーディー、1ボギーで回り、日本勢最高順位で決勝ラウンドに進んだ。昨年のマスターズ王者・松山英樹(30)=LEXUS=は72と伸ばせず、1アンダーの55位に後退。キャメロン・スミス(オーストラリア)が13アンダーで首位。
新鋭・桂川が快進撃を続けた。1アンダーで出ると、1つ伸ばして迎えた9番パー4(352ヤード)。追い風のなか「風に球をぶつけながら打った」と、ドライバーを操作する繊細技術を駆使し1オン。ピン手前10メートルからのイーグルパットこそ外れたが、楽々バーディーだ。356ヤードの18番パー4も1オン狙いでバーディー締め。「自分のプレーができた。上出来」。日本勢最高18位でメジャー1勝の松山と並び決勝ラウンドに進み「松山さんだけが予選通過と言われたくなかった」と意地も示した。
初日は18番でピン30センチに寄せる“美技”のアプローチで観客を沸かせた。この日は最難関の17番でグリーン右奥23ヤードのラフから90センチにつけてパー。渡英前には、アマチュア日本代表時代に指導を受けたガース・ジョーンズ氏の勧めで、聖地で2勝のタイガー・ウッズ(米国)の多彩なアプローチの動画を眺め、マネして練習を積んでいた。17番のナイスセーブに「自分でも褒めたい」と笑った。
日本ツアーで転戦中の息抜きは「プロレスを見ること」。だが、今回の遠征では「アニメにはまって、プロレスより気に入っちゃって…」。主人公が超古代文明の遺産を守るアクションアニメ「スプリガン」に熱中。「一日1話」と決めて、コース近くに借りた家で没頭しているという。
1月のSMBCシンガポール・オープンで2位に入り、初のメジャー切符を得た。女子の“黄金世代”と同じ1998年生まれで、4月に日本ツアーでも初優勝とブレイク中。全英初出場でトップ10に入れば13年に21歳で達成した松山に次ぐ年少2位の快挙だ。23歳は「2日間で終わらず、気持ちを切らさず、上だけを見てやっていきたい」とさらなる高みを目指す。