馬場咲希、20年V・同組の金阿林を「誰ですか?」強みは鈍感力…坂詰和久コーチが明かす素顔


馬場咲希

馬場咲希

◆米女子ゴルフ 全米女子アマチュア選手権 最終日(14日、米ワシントン州チェンバーズベイ)

 女子ゴルフの全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(17)=日本ウェルネス高=は中学1年時から、東京・八王子市のHMBゴルフアカデミーで坂詰和久氏(52)の指導を受けている。男子プロの片山晋呉の専属キャディーや女子プロ・佐伯三貴のコーチを務めるなど経験豊富な同氏は「今年は経験の年だと思っていたので、まさか勝てるとは」と驚いた。

 当時から身長は高かったが、現在よりもやせており「とにかく食べよう」と促すのが日課だった。今春には14キロ増の62キロに。以降は試合が続き50キロ台に減ったが、徐々に結果が出始めた。アカデミーで主に教えるのは体の使い方だという。

 「打ち方は直さず、胸椎や骨盤の回し方など運動効率の良さを追求します。練習は1日200球程度ですが、時間をかけて打っています。トラックマン(弾道測定器)も使い、良い時の動きを再現できるように」

 当初の球筋はドローだったが、正しい体の使い方を覚えるとグリーンで止まりやすいフェードに。高い球も習得しピンポイントで狙えるようになった。メンタルが重要なスポーツだけに、自信と安心感を与えるよう心がけている。

 「打つ前には何も考えないでいい、曲がった時に考えればいいんじゃない、と話しています」

 予選を突破した6月の全米女子オープンではキャディーを務めた。優れているのは「鈍感力」だと明かす。

 「周りの選手のプレーを全然気にしない。(20年大会優勝で最終日に同組だった)金阿林(キム・アリム=韓国)を『誰ですか?』と。目の前のスコアだけに集中していましたね」

 指導のモットーは「ちょっとずつ前に進もう」だ。

 「全米女子オープンでも、会場で練習はほとんどしていません。焦ってやっても力むだけ。彼女には『急にうまくはならないけど、急に下手にもならないから』と話しています。まだ発展途上。今年はうまくいき過ぎているので、地に足をつけてやっていきます」(取材・構成=岩崎 敦)

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