馬場咲希、初メジャー22位発進「足が震えた。こんなの初めて」緊張に襲われるも「逆に楽しめた」


10番、観客の拍手に応える馬場咲希(カメラ・今西 淳)

10番、観客の拍手に応える馬場咲希(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本女子オープン 第1日(29日、千葉・紫CCすみれC=6839ヤード、パー72)

 8月の全米女子アマチュア選手権覇者の馬場咲希(17)=代々木高2年=が1バーディー、2ボギーの73、1オーバーで回り、アマ最高位の22位で発進。コロナ禍以降では大会最多の4674人の観衆が詰めかけた中、メジャー初出場ながら国内最高峰の舞台で実力の片りんを示した。前回出場した「住友生命レディス 東海クラシック」での予選落ちから武器のドライバーで復調気配を見せた。森田遥(26)=新英ホールディングス=が5アンダーで首位。

 今夏、世界を驚かせた17歳が高い素質を示した。馬場は18番で3メートルのパーパットを決めると、表情が緩んだ。観衆からの大拍手に笑顔を見せ、「前半はいいゴルフができた。後半は(2ボギーで)悔しい気持ちがあるが、ギャラリーが多い中、その雰囲気を楽しめた」と胸を張った。

 大会屈指の注目度にも負けなかった。約1000人が集結した1番ティー。スタート前に全米女子アマ優勝の特別表彰を受けた。85年大会Vの服部道子氏(54)が銀皿を贈呈。直後の第1打はドライバーでフェアウェーへ。「さすが」とたたえた拍手の中、グリーン上では突如、「足が震えた。こんなの初めて」と緊張に襲われた。そこで先々週、国内凱旋だった「住友生命レディス 東海クラシック」で予選落ちした苦い経験が生きた。「逆に楽しめた」と我に返り、序盤でペースを取り戻した。7番で残り52ヤードの第3打を距離感ぴったりの2メートルにつけるバーディー。ガッツポーズで会場を熱に包んだ。

 武器のドライバーが復調した。前回のツアーは2日間の平均でフェアウェーキープ率が25%と低迷。夏場の海外転戦の疲れも残り、飛距離も約20ヤード落ちた。この間、「大きく振る」意識でトップ位置を高くするなどし、試合に出場しながらも毎日約3時間のショット練習を徹底。開幕前日までキャディーの坂詰和久コーチと練習場で打ち込んだ。

 3番は会心の当たりで同組の飛ばし屋、勝みなみを15ヤードも追い越す約270ヤードを披露し、観客の目をくぎ付けに。ドライバーを握った13ホールで、フェアウェーを外したのは2回と安定感も戻った。

 「住友生命―」は通算4オーバーで不完全燃焼。「悔しいプレーで終わった。今回は良かったと思えるプレーで4日間戦いたい」と闘志がみなぎる。優勝すれば16年の畑岡奈紗(17歳263日)を上回るメジャー最年少17歳160日での初制覇となる。国内最高峰の舞台に立った17歳は笑顔を作り「楽しみたい」と言い切った。まだまだ大きな可能性を秘めている。(宮下 京香)

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